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056 運命交響曲

 黒い仮面の男が姿を現した。


 シルヴァーナは、どこかで会ったような気がする。


「久しぶりだな……」


 男は不気味な声で呟いた。


 でも、シルヴァーナは思い出せない。

 何かが引っかかるだけだった。


 エリスが震える声で言う。


「私たちを……殺しに来たの……」


 マリスも必死だ。


「お願い、助けて……!」


 ロウィンは自分の力を振り絞る。


「どういうことだ? 俺の力が全く通じない……」


 男はにやりと笑った。


「そうだ! 俺は、未来のお前だ!」


 言葉を失う。


「未来のロウィン?」


 シルヴァーナが混乱して問いかける。


 彼は冷笑を浮かべた。


「とんだ茶番だ」


 シルヴァーナは身を乗り出す。


「どういうことなの?」


 未来のロウィンが手を大きく振りかざす。


「神々とダークエルフの戦いを引き起こし、シルヴァーナを殺した黒幕は……エリスとマリスだ」


 エリスは激しく否定する。


「そんなことするわけないじゃない!」


 マリスも声を荒げる。


「おかしなこと言わないで!」


 未来のロウィンは続けた。


「これは『死者の言霊』。ダークエルフに伝わる秘密のアイテムだ。この中には、シルヴァーナの音声が入っている」


 小さな声が、そっと意識に入り込む。


「時空管理局を操り……神々がダークエルフを滅ぼし……あなたに千年魔法を使わせ、神々も全滅させるように仕向けたのは…エリスとマリス……。時空の民も消えた。私も不意打ちで……コンティニューが使えない……娘たちも……。ごめんなさい……」


 全員が息を呑んだ。


「俺はだまされていたのか……」


 ロウィンは力なくその場に座り込んだ。


 エリスはほほふくらませた。


「せっかくの計画が台無し」


 マリスは楽しそうだ。


「もう、皆殺しね」


 未来のロウィンが呼びかけた。


「フェリシア、迷うな! お前にしかできないことだ!」


 皆の視線がフェリシアに集まった。


「パパ……」


 フェリシアの声には強い決意があった。

 両手で魔法陣を描く。


運命ディスティニー交響曲シンフォニー!」


 その瞬間、未来のあらゆる分岐点がリセットされた。


 神々、ダークエルフ、時空の民の滅亡、シルヴァーナと娘たちの死……。

 全てがなかったことになった。


 未来のロウィンとフェリシアの姿がゆっくり消えていき、エリスとマリスも同様だった。


「コンティニューが使えない……」


 エリスが泣き始める。


「どうして……?」


 マリスも驚きの表情を浮かべた。


 フェリシアが告げる。


「あなたたちが全ての元凶。私の最後の力で、存在そのものを消したのよ」


 彼女は目を閉じ、深呼吸ひとつ。そして、穏やかな微笑みを浮かべた。


「私も存在しなかったことになる。でも、パパとママに会えてよかった」


 その言葉とともに、フェリシアの姿は完全に消え去った。


 未来のロウィンが再び口を開く。


「俺もコンティニューで戻れない。お前たちの手で、これからの新しい未来を描くんだ」


 彼も完全に消え去る。

 その言葉は、全員に重くのしかかってきた。


 フェリシアの力が放たれた後、彼女の目の前にウィンドウが表示される。


「転生しますか? もう終わりますか?」


 全ての時間と空間を超えた、最終的な選択が突きつけられた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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