054 勇者たちの称号、裏の顔
シルヴァーナは後ろの席に座り、じっと授業に耳を傾けていた。
午後、ルミナが立ち上がると、教室は一気に静まり返った。
これからの戦闘や冒険に備え、基本的な知識を学ぶ――大事な時間だ。
「自分の性格に合う職種を選ぶことが大事よ」
ルミナの言葉が、シルヴァーナの胸に突き刺さる。
憧れの職業が必ずしも自分に向いているとは限らないのだ。
勇者、戦士、魔法使い、僧侶、竜騎士、精霊使い――どれも特徴は大きく異なる。
シルヴァーナは勇者を希望していたが、真剣に考え込む。
「例えば、二つ名がつくこともあるわよ」
ルミナの言葉に、シルヴァーナの背筋が自然と伸びた。
『神の勇者』『戦神』――戦いを制した者に与えられる名誉と誇り。
それは、目指すべき存在の証だ。
シルヴァーナは、自分がその称号を手にする姿を想像し、胸が高鳴る。
「聖、光、闇、天、地、土、雷、風、水、火、月――それぞれの属性には固有の力があり、戦いで大きな武器になるわ。でも異世界には全く違う属性もあるから、常に学び続けることが大事よ」
シルヴァーナの目がキラリと輝く。
「攻撃方法も色々あるの」
ルミナは話題を変えた。
「武器、スキル、魔法、魔術、幻術、呪い、結界、召喚、ゲート、変身、アイテム、魂――どう組み合わせるかで、生存の確率は大きく変わる。チームで連携して戦うことも不可欠よ」
シルヴァーナは、力を発揮する方法を考えることが、大きな課題だと感じた。
「防御方法も沢山あるわ」
ルミナは流れるように続ける。
「武器、防具、魔法、バリア、結界……どんな方法で自分を守り、戦いを有利に進めるか。しっかり準備することが不可欠ね」
その後、全員がウィンドウを開き、自分の能力や職業の適性を確認する。
唯奈は、意外性のある称号を持つ。
『ムッツリ剣聖』
普段は感情をあまり表に出さないが、剣の腕は抜群。誰も知らない小さな秘密を抱えているらしい。
フェリシアは、男性を惹きつける称号を持つ。
『ツンデレ魔女』
気取った態度の裏には優しさが隠れている。
強力な魔力を操るが、素直になれず、周囲は困惑している。
シルヴァーナの称号は、誰からも愛されるものだ。
『おちゃめなダークエルフ』
魔力で戦うけれど、どこか抜けていて場の空気を明るくする。
トラブルも明るく切り抜け、自然に仲間を笑顔にする性格だ。
ロウィンは、成長を象徴する称号を持つ。
『大人の階段を登った勇者』
その目には自信と落ち着きが宿り、戦う姿から頼もしさが伝わる。
ルミナが最後に問いかけた。
「もしパーティーを組むなら、どんな仲間が必要だと思う?」
シルヴァーナは心の中で考えた。
(まだ分からない。でも、力を合わせて進み、強くなる――)
胸に熱い決意が満ち、体中に力がみなぎるのを感じた。
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