018 終わったらデートしようよ
ロウィンたちはサラと相談し、それぞれ別行動を取ることにした。
その後、ロウィン、シルヴァーナ、レイナ、かなえの四人は、冥王ハルバス・ドラウグスの腹心ノクス・カリエルを討ち、彼が人間界の要人に施していた精神支配を解いた。しかし、「世界統一国家ノヴァ・ユニオン」の指導者たちに残る欲望は消えなかった。
「異世界ラグナヴィアは脅威だ! 奪われる前に奪え!」
彼らは大艦隊を派遣したが、その進軍を止める術はなかった。
一方、ラグナヴィアでも、戦争の準備が進められていた。サラをはじめとする異世界の英雄たちは、冥王ハルバス・ドラウグスが仕組んだ各国の内乱を未然に防ぐことに成功していた。冥王の魔力に支配されていた種族や国々は、人間界への侵略も企んでいたのだ。しかし、サラたちの献身的な働きと説得により、協力の道を選んだ。
「全ての種族が団結し、共に戦わなければならない」
*
ロウィンは深く息をつく。胸の奥がざわつくように熱い。
隣のシルヴァーナが小さく笑った。
「ねえ、全部が終わったら――デートしよう。月明かりの下、二人だけで歩きたいな」
肩の力が抜け、緊張がゆっくりほどける。張り詰めていた感情が、彼女の声で少し和らいだ。
「そうだな。必ず行こう」
横顔に目を向ける。戦いの中でも希望を失わない強さと優しさに、心がそっと惹かれる。
「約束よ。楽しみにしているから、絶対に忘れないで」
瞳に映る月に視線を止め、固く誓った。この約束こそ、どんな闇も超える、二人だけの希望になる。
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