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第3話

 元々北側の出口から外へ出たはずだが、帰路の途中に草原に出て、街道に沿って町に戻ってみれば、到着したのは南側であった。


 ひとまずこの2日間の疲れを癒やしたいので、先に宿へむかう。町で行うことは別に休んだ後でも構わないだろう。

 このゲームにおいて、宿は有料で泊まることが出来るものなのだが、基本的にはHP回復や魔法を使うためのMPを回復したりするために使用する。

 ただ、ゲーム内で睡眠を取ることも可能なので、リアル世界の宿と同じように利用することもできる。

 部屋の内装によって価格も変わってくるのだが、相場としては一泊2000Gと言ったところだ。おそらく階層によってその相場も変動していくのだろう。


 現在時刻はゲーム内時間で午後5時。

 通常、このゲームは現実世界の2倍の速度で時間が進んでいる。そのため、丸2日狩りをした私は現実世界では丸1日分しか狩りをしていないということになる。

 現実世界の0時がこちらの世界でも0時で、現実世界の6時がこちらの世界の正午、現実世界の12時はこちらの世界の0時だ。このようにすることで仕事帰りの人でも眠るまでに午前と午後どちらも楽しめるという配慮だ。

 私がもしリアルに戻れるのなら、このゲームを勉強の場所として使いたいかも……。




 ひとまず今晩は眠り、明日の早朝に武器を購入した後に早速第2層へと向かうことにする。

 2層へはボス攻略の必要がなく、2層への入り口から普通に降りられる。3層以降は行くためにボスの攻略が必要だ。


 なぜこの2日で2層へ降りなかったのかというと、ここから一気に10層まで駆け下りたいと思っているからだ。

 階数イコール出現モンスターの平均レベルで、1層なら平均レベルがレベル1、5層なら平均レベルが5といった感じになっている。そのため、ひとまずレベル5を目指してあげていたわけだ。

 楽しくなって7まで上げてしまったが……。


 後は攻略していくうちにおそらく10まで上がるから、それでさっさと10層に向かおうという考え。


 効率の良さは2層での狩りだが、1層は初心者エリアなので商品価格が安い。そういったことを考えると初めのうちは1層にいるのが良いだろう。




 2層への入り口へは西側から延びている街道を進めば到着できる。

 そこはエルネタウンという町になっており、ダンジョンの入り口と小さな商店が少し並ぶだけの本当にダンジョンの入り口専用の町だ。

 既に狩りの途中に立ち寄っているので、武器を購入したらすぐにテレポートでそこへ向かう。


 なので宿を取る場所は正直どこでもいい。できれば武器屋が近くにあるところが良いと思うが、武器を売っているお店は定期的に並んでいるので適当にそこら辺の宿に入ってしまうことにする。

 路地裏の宿は少し怖いので大通りに面した宿。







「いらっしゃいませ!」


 私が目をつけたのは、すぐ近くに武器屋がある小さな宿。メインストリートに面してはいるものの、中央広場から少し離れているので、おそらく価格も抑えめだろう。

 まだ先行リリース、アーリーアクセスと言うこともあって宿はガラガラ。町はNPCらしき人はわりといるものの、プレイヤーはまばらだ。既に下の層まで降りていっているのだろう。


 中に入ってみると、そこには幼い見た目の少女が受付に立っていた。

 猫耳が着いているとかそういうわけではなく、普通に看板娘といった感じの見た目だ。


 中はもちろん西洋風の作りになっていて、全体的に木が使われているみたいだ。

 外の光が取り込めるような作りになっていて、明るくすっきりとした様子。上を見上げれば小さな照明が吊されている。


「1泊ってできるかな」

「はい! 1泊1800Gになります!」


 相場より少し安いかなと行った所。ササッとお金を払い、鍵を受け取って3階へと上がる。正直疲れたのでさっさと休みたいのだ。






 部屋の中は至ってシンプルといった感じだ。

 大通りに向いている窓が付いており、部屋の左側に通常サイズのベッドが1つ、右側には椅子と机、それから棚が置かれている。

 窓からは光が入り込んでいて、1階のフロント部分と同じように全体的に明るくすっきりとした部屋になっている。

 室内はボロボロとかそういうこともなく、やはり全体的に木で、シーツはきれいに真っ白ふわふわ。

 よくあるビジネスホテルといった感じだろうか。


 荷物はすべてアイテムボックスにしまえるため、備え付けの棚などは利用せずにそのままベッドへ飛び込んだ。


(うん、パジャマ欲しいなぁ……)


 そう思いながらも、疲れがたまっていたためかすぐに眠りについてしまった。


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