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第14話

「ふむふむ、やっぱり手に馴染む。これなら力が抜けて刀が吹っ飛ぶ心配もなさそうだ」


 新調した武器を手に、8層のボス攻略へと挑む。

 以前にも紹介したとおり、8層の場合はボス部屋まで一直線に道が出来ている。とは言っても、既に1層1層が相当な広さになっており、ボス部屋に付くまではなかなかに時間が掛かる。

 途中に1つ村を挟み、しばらく進めばボス部屋になっているみたいだ。


「うんうん、まるで豆腐だな」


 道中襲いかかってくるフワロンというモンスターをサクサク切りながら歩いて行く。

 ギコギコしなくてもすーっと刃が入っていくため、正直戦っているような気がしないのだ。クレー射撃の刀バージョンみたいな、そんな感じだ。








「はい、村到着」


 無心で歩いて3時間ほど経っただろうか。ようやく村に到着。

 女忍者という比較的足の速いジョブで走って3時間かかったのだから、足が遅いジョブの人はきっと凄く時間が掛かるのだろう。道中何か面白いものがあるわけでもなく、普通に到着してしまった。

 大体クエスト系は無視しているからね。とにかく10層へと下がるのが先。

 とは言っても、このゲームは他のRPGに比べてクエストが少ない。というのも、このゲームの開発方針として、クエストを会社側が用意しなくてもプレイヤー達でクエストを作り出せるような、プレイヤーとプレイヤーの交流が耐えないようなゲームにしたいというものがあるらしい。

 従って、例えば素材を集めてきてとか、そう言ったNPCからのクエストはほとんどないのだ。

 お陰でサクサクプレイ出来る。6層では一応クエストをクリアする前提のものがあったが、大抵はクエストをクリアしなくてもボスに挑戦出来る。

 他のゲームとかだと、クエストをクリアしないとエリアが更新されないとか、話が先に進まないとか、レベルが上がらなくなるとかあるだろうが、そういったことはこのゲームにはないのだ。

 これが良いところ。




 8層の途中にあった村は、少し独特な形状をしていた。

 8層の中央には背の高い木がたくさん並んでいるエリアがある。層によっては四季であったり季節が存在するところがあるのだが、8層はその層に当たるのだ。

 この層は層の中央へ向かうにつれて標高が低くなっているという特徴がある。従って、雨が降る季節になると中央には大きな湖が出来るのだ。その季節になると今私が通っているようなルートを使っての攻略が出来なくなる。そう言った不思議な層である。


 今の時期は乾季なので中央付近に水がたまっておらず、最初の町からボス部屋まで突っ切るルートで攻略出来る。ただ、雨季になるとぐるっと半円を描くように、例えばこの前黒牙狼を倒した方まで迂回して攻略しないといけないのだ。

 この乾季と雨季の切り替えはゲーム内1ヶ月周期で行われるらしい。先行リリースが始まった際は雨季だったのだが、今は外の時間で2週間以上、ゲーム内で1ヶ月以上時間が経っているため、乾季だ。


 この村は大きな木の中を切り抜いて、そこを家にして暮らしている。家と家の間には道があったりなかったりする。道がない場合はターザンロープのようなもので移動するらしいが、主要施設には道があるのでクエストなどの特別な用がある場合を除いてはターザンロープのようなものを使う機会はそこまでないだろう。

 一応村民の設定は木に宿る精霊、つまりはドライアドとなっている。なので、種族をドライアドで登録している人は特別な効果があったりするらしい。

 大抵のジョブ、職業では種族変更が出来ず、女忍者もできなかったので私には関係ないが、鍛冶とか、あと魔法使い系のジョブは種族の変更が出来るらしい。


 魔法使い系だったら種族によって得意な魔法が変わったりとかするそう。何も弄らなかったら私と同じヒューマンになる。ヒューマンはすべての魔法が普通。ドライアドだったら草とかそっち系の魔法の威力が強くなり、火系が弱くなる。といった感じでいろいろあるのだ。

 また機会があれば詳しく紹介しよう。




 木の上に登るにははしごを使う必要がある。巨木の横に付いているはしごを頑張って登り、これでようやく村へと入ることが出来るのだ。

 村の大きさ自体は最初の村よりも大きいのだが、形が形だけあっての結果なので、人口だったりはそこまで多くない。設備もものすごく整っているわけではない。

 しかし眺めは良い。居心地も良さそうだ。  

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