表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

こまかい詩集2

詩 誰も死なない世界に生まれたかった

作者: 仲仁へび



 ちょっとした事で人は死ぬ

 ちょっとした事でなくても人は死ぬ


 とにかく何かにつけて脆弱な人の命は

 誰かがくしゃみをするような一瞬の中で死んでいる


 気が付けば死んでいた

 知らない内に死んでいた


 周りの人達も

 テレビの向こうの見知らぬ人達も

 新聞の向こうの見知らぬ人達も


 見ている視線の先の人達も

 見ていないどこかに存在する人達も

 地球上のありとあらゆる場所で死んでいた


 生まれる世界を選べるなら

 人の死なない世界が良かった


 死んでしまう人もそう思って

 死んでいく人を見送る人もそう思って


 それで世界が変わるならよかった

 けれど世界は変わらずに


 今日も明日も明後日も

 未来もずっと変わらずにいる


 ケンカのはずみでふいに人が死ぬような

 すれ違いの果てに憎しみ合って殺し合うような

 あるいは超えられない壁を挟んで拒絶の末に人を葬るような


「私達は」


「俺達は」


 そんな世界じゃない場所に生まれたかった


「ストーリー」


 人間として生まれる俺達は、ちっぽけな力しか持っていないから。

 どうやっても死んでいく全ての人を助ける事はできない。

 現実に折り合いをつけて、助けられる命と助けられない命を選択するしかない。

 そうして選んで助けたいと思った命だって、満足に助けられない事もある。


 こんな世界、選べるのなら生まれてこなかったさ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ