〜エピローグ〜a史
「お前はもう必要ない。これやるからどっかいってくれ」
「え?どうしてエルガ私なんかした?
ねぇ何か言ってよ」
ダンジョンの奥で5人の冒険者が口論を突然始めた。
1人の女が泣きそうになりながら男にしがみつく
「うるせぇーよ。だからお前はウザイんだよ。仲間に入れてやったのに対して俺らに守られてばかりで何もしない。力もない金もない。あるのはそのデカい乳だけかよ」
「あなたは用済みなの分かる?」
「リカまで…。ルミ ナタ2人もそうなの?」
「…もう、要らない」
「悪ぃな。お前みたいな半端もんを養うのは金の無駄だからな」
「どうして…。今までみんなで頑張ってきたのに!」
「「…」」
女は小柄な男に睨みつけられ足が竦み地面に座り込む。
「ってことだ、じゃあーな。ゴミ女。あ、あとお前の住んでるゴミ溜まりも燃やしといてやるよ。あははは。」
「ふふふ」
「ククク」
「ぷっっ」
何を言われてるかさっぱり分からない彼女は地面に倒れたまま涙を流し絶望した。3年も同じ空の下で暮らしていたのにいきなり現実を突きつけられ更にはダンジョンに捨てられてしまった。力もない彼女はこのままでは、ダンジョンの魔物に食い殺されてしまうだろう。
「どうしてなの…。どうして
逃げなきゃ…」
彼女は、ダンジョンがいかに危険をしってるため涙を抑えながらでも進む。彼女だって弱くても彼らの戦い方を見ていたのだ、この階層の魔物にタダでやられるわけがない。
「ギギッ!ギシャッ!!」
「数が多すぎだよ…。でも、村に帰ってみんなに言わなくちゃッ!」
なんとか護身用のナイフでゴブリン達の棍棒を避けを首を切り裂きただただ出口を目指す。
「はぁはぁもうすぐ。」
カエル型の魔物の攻撃を前転して避け出口を目指す。
彼女には魔物なんか構ってる余裕などなかった。
「出れた…。すぐに向かわなきゃ」
土と血で汚れところどころ服が破れている女1人が慌てて出てきたことに他の冒険者達は驚くがそんなことが起こっても不思議じゃないのですぐに思考を切り替えた。
「大丈夫か?嬢ちゃん。」
「大丈夫ですから。少し道を開けてもらって」
大きな大剣を背負った大柄の男が優しく声をかけるが彼女は見向きもせずに去っていた。
「おい、ガードルお前あの子がビビって逃げちまったぜ?」
「「ぷっハハハハハハハハハハハ」」
「うるせぇよーお前ら」
周りで見ていた冒険者達はガールドと呼ばれた男を笑い
笑われた本人は罰が悪そうな顔をして睨んだ。
「あはは、やっぱこの建築方法の弱点は火だよね〜。ちょうどいい温かさだよ。それとこの悲鳴と叫び声も最高なスパイスだしー。」
深緑のフードを被った少年の声が空に溶け込む。少年の目の前には燃え盛る家と人間を襲う複数の鬼系の魔物。少年は顔立ちはいいが闇を連想させる黒い顔に紫と黒のオッドアイの顔が常世を表しているように感じる。彼は、ダンジョンでアリアと呼ばれていた少女といたエルガと呼ばれていた少年である。
「ふふ、アリアもこれで喜んでくれるだろーなー。ふふ、ははははは。じゃあまた会おうねアリア…。」
エルガと呼ばれた少年は自身の影に潜り込んだかのように消えていなくなり、目の前に残るのは、火事がおこり魔物に襲われる村のみだった。