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学校一の美少女は学校一嫌いな奴だった  作者: 夏斗輝明
第一章:『3年1組』
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第三話:学校一嫌いなやつ②

 学校に到着し、伊織と共に体育館下に張り出されているクラス分けを見にいく。晴輝たちは少し遅刻気味で登校したため、体育館下にはすでにかなりの数の新3年生が集まっていた。


「おーい、晴ー。俺ら1組だったぜ。ラスト1年、よろしくな!」


伊織は満面の笑みでこちらに向かって来る。

伊織はいち早くクラス分けを見に行って、教えてくれた。そのため、他のクラスの面々を晴輝は見ていなかった。


「まあ、高校の最後くらい一緒でもいいか。よろしく」

「ツンデレかよ。素直に喜んでもいいんだぞ」

「へいへい」


伊織とそんな話をしてから晴輝たちは自分のクラス『3年1組』の教室に向かった。

 教室に入るとクラスの半分ほどの生徒が登校していた。3年生ということもあって、ある程度のグループは出来上がっているように見えた。


(俺は廊下側の1番後ろか)


 晴輝の出席番号は5番で、席は1番後ろになった。最も教師の目に付きにくいところで、この1年間は席替えはしたくないと思った。

伊織は一番前の席になったため、晴輝の周りに話せる相手はいない。と、思ったが『話したことがあるやつ』が横にきた。


(岡村玲奈・・・)


約1年半前、俺に恥をかかせ、俺の親切心をへしおった女。

まさか、こいつとまた同じクラスで、しかも隣の席とか。なんの罰だよ。今すぐ席替えしたい。


 晴輝と玲奈は話すこともなく、新しい担任によるホームルームと体育館で行われる始業式を終えた。

この日のスケジュールは午前中に全て終了した。

今日はもう下校していい時間だったが、伊織との約束がある。帰り支度をする伊織に声をかける。


「おい、何か忘れてないか?」

「あ、あれな。忘れるわけないだろ?500円と唐揚げ丼な。一緒に食おうぜー」

「あざーす」


 北神高校の食堂は駅前の弁当屋さんが昼の営業をせずに、学校で格安の値段で食事を提供してくれる。

そのため学生にはとってはかなり人気で、メニューの中で最も人気なのが晴輝たちが食べている唐揚げ丼である。

人のお金で食べる飯は美味しいとはよく言ったものだ。


「そういや晴さ、ゴールデンウィークの勉強合宿参加するのか?」

「あー、そんなの今日のホームルームで言ってたな」


 毎年進学希望の3年生を対象とした勉強合宿がゴールデンウィークの2泊3日で行われる。日中10時間は座学で、ほぼ軟禁状態である。

夜は修学旅行のように騒いだりしていると、教師から「騒ぐ余裕があるなら今から授業するぞ」と脅されるという。

しかしこの合宿は塾などを行っている人などもいるため、進学希望の人でも強制参加ではない。


「まあ晴は来ないかー」

「正直迷ってる。伊織は?」

「俺は参加するぞ。成績やばいし。晴も一緒に行かないか?晴がいると俺も心強いし」


 また満面の笑みで誘ってくる伊織にいつも断れない。決してBLではないが、少し照れてしまった。


「まあ、前向きに考えてみるよ」と少し俯きながら答える。

「じゃあ、決まりな!今日から申し込みやってるから、晴のもしといてやる!」


食べ終わった皿を返却口に戻しながら言ってきた。そしてそのまま伊織は食堂を出ようとする。

「まだ行くとは言ってないぞ!」と遠くなっていく伊織に言うが、「今日バイトあるからもう帰るわ!今朝はありがとうな!」と行ってしまった。


「あの野郎。結局ぼっち飯かよ」


少し不貞腐れながら伊織に奢ってもらった唐揚げ丼をかき込み、お茶を飲んで胃に流し込んだ。



 晴輝も帰ろうと下駄箱がある昇降口で、靴を履き替えていた。


「ねえ、玲奈は合宿行くの?」


 急に女子の声が後ろから聞こえてきた。

 晴輝は状況を一瞬で理解した。『玲奈』と『合宿』という単語の組み合わせに嫌気が刺した。それに次にくる返答が予想しているものでないことを密かに願った。


「私は出るつもりだよ」

「じゃあ、私も行こー」

「私が行かないって言ったらどうするのよ」と玲奈の笑い声が聞こえてきた。


(あぁ、来ちゃいますか・・)


予想していた返答が返ってきてしまい、あからさまに落胆した。もう伊織も申し込んでしまってるだろうし、今から行かないなんて言うのも面倒くさい。


「勉強に集中してたら2泊なんてすぐ過ぎるよな」と自分を鼓舞する。

夜は当たり前だけど男女別の部屋だし、授業中も岡村たちと話すことはないだろう。


 晴輝は玲奈たちと鉢合わせないように、10分ほど昇降口でスマホをいじってからバイクが置いている駅前の駐輪所に向かった。


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