この作品つまらないのでアンチコメントして荒らしてやります!!!
自分の部屋で男が小説家になろうで小説を読んでいると、ふと一つの作品に目が行った。「オレオレ詐欺がかかって来た時の対処法!これであなたもオレオレ詐欺から身を守れます!?」という長ったらしい名前でいいねもポイントもそこそこついている。試しによんで見ると男は顔をしかめる。
「ん?んだよこれ、つまんねー作品だな」
素人の投稿ということもあるがあまりにも面白くないのだ。タイトル自体は気をひくものがあるが、中身はそこまでという感じだ。男は何だと思いながらその作者を見る。「黒豆100%パン」。まあ名前などそこまで重要ではないしそこは良いだろうと男はページを開く。そこには長ったらしいタイトルが幾つも並んでいた。投稿数は148。なかなかたくさん書いているのかと思いながらも男はスクロールしてく。
「お、長編もあるのか」
そう思い長編をタップし確認する。2つあるうちの一つはブクマもそこそこありなかなかな感じだった。
数話ほど読み進めてみたが、男には合わなかったのかすぐにその小説を閉じてしまった。男は何かを思いついたように感想のところを開くとおもむろに何やら打ち始めた。この作者に文句を言ってやろうと考えたのだ。
『クソつまらん!小説やめろ!!』
そのような文章だけを書いて送る。男は少し優越感のようなものに浸りながら寝床についた。
次の日は休みだったのでまた小説家になろうで作品を見ていた。するとまたあの作者の名前が目に入る。「黒豆100%パン」という名前は意識していなくてもいつのまにか目の中に飛び込んできてしまうのだ。見てみるがやはり面白くない。男は感想欄を開きまた文句を書き並べた。今度は少し長めの文章だ。
『もうやめろ面白くないセンスない早くやめろつまらない』
同じような言葉を並べてみる。これでこいつもやめるだろうという魂胆だ。文字を打ち終わり投稿する。側から見たら完全に荒らしのそれなのだが、男はその暴言のような言葉を並べていると何だか優越感にひたっている様だった。男の手はいつのまにかスマホ上で黒豆100%パンの他の作品を開きブックマークを押している。そして同じように荒らしのようなコメントを残し始めた。
その時の男はまるで獣のようだったその次の日も同じように探した。学校も黒豆100%パンの小説の事ばかり考えていてなかなか授業が入ってこないぐらいだ
「はあ?は!はぁ...こいつの小説は...こいつの..こいつの...こいつの!!」
それはまるで何かに取り憑かれているようだった。狂ったように黒豆100%パンの小説を開き、感想の欄を開く。そしてその感想に文句を長々と述べている。それを繰り返しているうちに、男は毎日黒豆100%パンの小説を探すようになっていた。
「黒...黒豆...100%...あああ...」
血眼になって探すがもう見つからない。いくら探してもいくら下にスクロールしtwも「小説で虜にする方法」だの「次なる世界」だのいろいろな先者のタイトルが見えてくるがそこには黒豆パンという文字すらない。
「あ...う...あれ?男は何を?」
冷静になった男は今見ていた小説を見る。下にスクロールしていたらたまたま「虜を解除する魔法」という名前の小説が入ってきたのだ。それから男は黒豆100%パンの小説見ても全く関心を示さなくなった。
✴︎
「ふっふっふ...また1人引っかかった...本当にちょろいなあ」
男は暗い部屋でスマホを眺めながらそう呟いていた。その画面には「小説家になろう」という文字。この男、黒豆100%パンは小説投稿を日々行なっている。最近はブクマやいいね、ポイント等も貰えるようになってきたがまだまだ底辺だ。
「もう引っかかったら男の小説から目を離せなくなる。なんていい作戦何だろうな...ははは。っておい!なんでこいつ解けてるんだ??ちゃんと小説を開いたら虜になるようにしたはずなんだが...なんでなんだよ!!」
その時、ガシャン!という音とともに勢いよく黒豆100%パンの部屋の扉が開かれ、黒いスーツと黒帽子の男たちが3人ほど入ってくる。その男たちはあっという間に黒豆100%パンを取り囲みそのうちの1人が紙を取り出しそこに書いていた罪状を読み始めた。
「黒豆100%パン!!違法集客法で逮捕する!」
「クソ!!!読むと虜になって何をやっても黒豆100%パン小説が目についてポイントやブクマをしたくなる魔法をかけていたのがバレたか!!!」
「お前の悪事は全てお見通しなんだよ!」
「くっ...!」
「もうお前は包囲されている!!」
「クッソォー!!!」