無人島サバイバル!~プロローグ~
私たちは、クルーズ船で旅行をしている
クルーズ船の甲板には、いろいろな国籍の人たちが思い思いに過ごしていた
「エミリ、こっちに来てみなさい」
パパがこっちにおいでと手で招いている
「わぁ、綺麗な景色。見て、イルカが居るよ!」
イルカの群れが、船と並走するように泳いでいるのが見えた
今日は私の誕生日。忙しいパパとママがわざわざこの日のために有給を取ってくれた
赤道に近い場所を通っているのだろうか、結構日差しが暑い
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夜になると、風が強くなってきた
「パパ、結構揺れるけど、船、大丈夫かな?」
「HAHAHA、船はそう簡単に沈んだりしないよ」
しかし、風はどんどん強くなり、嵐となった
窓に大きな雨粒は叩きつけられる
すると、ドーンと言う音と共に船が大きく揺れた
「何だ!?何が起きている!」
「きゃぁ、何が起きてるの!」
パパもママも突然の事態にパニックになっている
「パパ、ママ、怖い!」
私がそういうと、両親は抱きしめてくれた
しばらくして、館内放送が流れた
「事故発生、事故発生。船内に浸水し、沈没する恐れがある。乗客は速やかに救命胴衣を着けて待機してください。繰り返す……」
風はだんたんと止んできたようだが、船が傾いてきている気がする
また、館内放送が流れた
「浸水により、沈没する前に、救命ボートで脱出してください。繰り返す……」
「よし、デッキまで行くぞ」
パパはそう言って私の手を取る
デッキにつくと、大勢の客が救命ボートに乗り込んでいた
救命ボートの一つに、私たち家族も乗ることができた
沈んでいく船から離れるようにボートを漕ぐ
すると、突風が吹いた
「きゃぁ!」
「エミリ!?」
私たちのボートが大きく揺れ、乗員の半分ほどがボートから流された
辺りも暗く、海の中は上も下も分らなくなっていた
「ごぼっ……」
私はそこで意識を失った
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気が付くと、明るくなっていて、見知らぬ砂浜についていた
運よく、救命胴衣が役に立ったのか
近くに、私のリュックも落ちている
中身は、化粧品等で何の役にも立たないけれど
「パパー、ママー、誰かー!」
私は叫んだ
誰か、他に生存者がいればいいけど
プロローグだけこちらに載せます
完結したら、こちらでも載せようと思います