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お弁当は家族のために  作者: 森林
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宮下大輔の独白

拙い文章ですがよろしくお願いします。

 両親が事故で死んでしまった時、不思議と涙は出てこなかった。

 しかしその横で姉さんはわんわんと泣いていた。

 俺はその時に男として姉さんを守らなければならないとおもった。姉さんのために全てを捨てる覚悟は確かにこの胸の内にあった。

 ではなぜ俺は今、写真家なんて仕事をしているのか? なぜ姉さんと離れて暮らしているのか? それは俺の弱さにあった。


両親が死んだ時、俺はまだ中学生。身長も姉さんを追い越し、社会の上澄みを知った。そこで俺は全てできる気になっていた。


 結論から言うと俺は何もできなかった。

 両親が死んで忙しい頃、矢面に立ってくれたのは姉さんだった。

 祖父母もいない俺たちは別々の親戚に引き取られてる予定も、店を壊す話も、全部無くしてくれたのは姉さんだった。

 俺はというと何も知らずにただ両親の居ない日常を過ごしていただけ。姉さんが動いていることも知らなかった。

 知っていたのは夜な夜な自室で泣いている姉さんの姿だけだった。


 姉さんが裏で動いていたことを知ったのは俺が高校生になってからだった。

 その頃には姉さんは大学を辞め、一人でお店を切り盛りしていた。


 姉さんは俺なんかと比べものにならないほど強い人だった。

 こんなことだったら両親が死んだ時、強がらないで泣いとけばよかったと後悔した。


 そんな俺が姉さんにできることはお店を守るためにここに残ることに決めた姉さんのために広い世界を見せてあげることだと思った。

 こうして俺は写真家になった。


 

お読みくださりありがとうございました。

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