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鎖に繋がれた少女・時雨(しぐれ)

こちらの作品を目に留めていただき本当にありがとうございます!


始まりの1話です。

読者の皆様の心を掴めるか、少し気になりますが、「白髪の少女」や「組織の下っぱの青年」や「殺し屋ののような強いお爺さん」が好きな方は特に読んでやってください。

これは、10年も前の話だ。

そう…僕がまだ組織と繋がっていた頃に預かった、不思議で寂しそうな、ひとりの少女の話。


* * *


「では君にはこのアパートで、コイツを預かっていてもらおう」


黒い帽子に裾の長い黒のトレンチコート、高級そうな黒のスーツに黒々と光る大きな革靴。


頭から足の先まで黒一色で固めた組織からの使いのお爺さんは、家主になる僕よりも先に堂々と部屋に入るとそう言いはなった。


組織の使いであるこのお爺さんは、時折、組織の下っぱである僕の元に来ては、ボスからの命令を持ってくる。


今回はパシりをさせられるわけではなさそうだが、住所も強制的に変えさせられ、表立っては名前も変えさせられた。


大学はそのまま通わせてもらえそうだが、また危険な仕事になるのだろうか。そう思いながら僕は口を開いた。


「…コイツ? こ、今回は、法に触れるような武器かなんかですか? ヤバイのは勘弁してくださいよ」


「安心しろ、下っぱの若造なんぞに武器なんて持たせんさ。

…だがコイツに怪我でもさせたらお前さん、ボスに生かしてもらえるかもわからんけどな…」


ジャラ…。


声を震わせながらお爺さんの返答に安堵したのも束の間、恐ろしい言葉を聞いた気がする。


今、「生かしてもらえるかもわからない」って言われた、僕?


そして今にも人を殺しそうな鋭い目をしながらお爺さんは手に持っていた鎖を引っ張る。


「え!?」


ジャラジャラ…。

鎖の先に繋がる奥の部屋から現れたのは、髪の白い15、16歳くらいの少女だった。


「…っぃたい…」

少女は小さく呟く。


「おっと、すまんな時雨(しぐれ)。鎖はもう外そう」


バキ、ガチャン。


おい、おかしいよこの爺さん…今ふつうに手で鎖をちぎったよ?


「今日からお前さんを管理するのはこの男だ。なぁに、ボスの手足みたいなものさ。欲しいものは好きに頼め」


「…わかった」


少女に話しかけるお爺さんの口調は、心なしか優しそうに感じた。

少女もまたお爺さんに目線は合わせないものの、会話にはしっかり応じていた。


「さてと、じゃあお前さん…時雨の管理、しっかり頼むぞ。

金は組織から、この子の生活料も含めて振り込まれるはずだ」


「は、はい」



「…じゃあな、若者ども」


そう言ってお爺さんは去っていった。


僕には新しく与えられたアパートの一室と、ちぎれた鎖の首輪をつけた謎の少女の管理という仕事が残った。


* * *


これが僕と時雨の、不思議な生活の始まりだった。

読んでいただきありがとうございます!


流れとしては、

これから時雨の過去を明らかにしていったり、

青年が組織の下っぱからどんどん成り上が(るかな??)ったりしますので、

ぜひ次回も読んでいただけると嬉しいです!

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