ライバル?
前から歩いてくるのは、幼馴染みの女の子のはず。
その横にくっついて歩いてるのは、誰だ。
って、おばさんの手紙では、“女子の制服”だったはず?
何で、男子の制服?
そこに疑問を持ちながら。
「あれ、幸矢」
って、声をかけてみた。
幸矢は、驚いた顔をして振り返った。
「兄さん、お久しぶりです」
って、声を低くして言う。
普段の彼女の声は、もう少し高いのだが……。
理由は、直ぐに思い至った。
隣の彼のせいか。
「何、その喋り方」
そう言うと、彼女は慌てふためいた。
同様が、筒抜けだぞ。
彼女目が、恨めしそうに俺を見ていた。
俺は、苦笑した。
「わかったよ。後で俺の部屋に来いよ」
俺は、それだけ告げルームナンバーを書いた紙を彼女に渡した。
「じゃあ」
俺はそう言って、軽く手を挙げてその場を去った。
幸矢の隣にいた奴、どこか見たことあるが……。
何処だった?
だが、何となくだが奴は、俺にとっては、天敵な気もする。
そう、奴から彼女を好きだオーラが漏れてきてる。
奴は、制服で判断してるから幸矢の事を男と思ってるはずだ。
今は、まだいい。
彼が、幸矢を女だと知ったとき、俺にとっては、最大のライバルとなるだろう。
その前に何とかしなければ……。
俺の中で、何かが蠢き始めた。




