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玩具を見つけた

入学式の時に新しい玩具を見つけた。


そいつは、男子の制服を着こなしていたが、見るからに違和感が漂っていた。

同じクラスだったので、一ヶ月観察を試みた。


見た目は、男なんだが物腰が柔らかい(そういう男も居るが…)。

って言うか、線が細いのだ。

まぁ、この年でガッシリしてる方が変かもしれないが…。


ある日、授業が終わると奴はさっさと鞄を掴んで教室を出ていく。

何かあるのか?

俺は、慌てて後を追った。

奴は戸惑うことなく歩いていく。

そう、余り人気がない方へ。

北校舎にあるのは、特別教室だけだ。

何しに行くんだ。

そう思いながら。


「おっ、綾小路発見!」

廊下を奴に向かって走る。

なんか、面倒臭そうな顔されたが、気にしなかった。

「お前、何処行くんだよ」

奴に訪ねる。

「何処って、図書室だが…」

「図書室?何しに?」

「調べものをしにな」

声が、上ずってるのは、気のせいか?

ちょっと気になる。

「俺も付き合ってやる」

って言うと。

「別にいいよ。調べもの結構あるし。時間も遅くなると思うし…」

と慌てて断ってきた。

それこそ、何かを隠してるとしか思えない。

「そんなの構わないぜ」

しつこく食い下がってやった。



「あれ、幸矢」

突如、奴を呼ぶ親しげな声がした。

その方をみると見るからに上級生だ。

なんだコイツ。

「兄さん。久し振りです」

奴が、嬉しそうに答える。

なんだ?

妙に胸騒ぎがする。

「なに、その話し方」

奴が、慌てふためいてる。

声かけた奴も苦笑を漏らしてる。

なんだよ。

急激に胸の中が、モヤっとする。

「わかったよ。後で俺の部屋に来いよ」

って、言葉が頭に木霊した。


何で、そんなに親しげなんだ。

奴は、行くのか?

なんの戸惑いもなく、アイツの部屋に……。


「なぁ、アイツ誰?」

俺は、無意識に発していた。

「エッ…と。高津冬哉さんって言って、オレの幼馴染み」

幼馴染み?

「ふーん。仲が良いんだな」


奴に親しい奴が居たとはな…。

なんか、面白くない。何となく、ムシャクシャしていた。

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