表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/51

行方知れず

あれから、たまに幸矢のクラスを覗くが、彼女はそこには居なかった。


いったい何処に行ったんだよ。


彼女の事が気になり、期末も散々だった。



夏休みに入り、家に戻って直ぐに幸矢の道場に顔を出した。

幸矢が居ると思っていたのだが、彼女の姿はここにもなかった。


俺は、おじさんに声をかけた。


「こんにちは。ご無沙汰してます」

俺がそう声をかけると。

「あぁ、冬哉君。ずいぶんとご無沙汰だね。前より男面がよくなった」

ってにこやかに返してくる。

「あの、幸矢は今何処に居るんですか?久し振りに手合わせをしたいと思ったんですが」

俺は、おじさんの顔色を伺うようにそう声をかけた。

すると、おじさんの顔がみるみるうちに青くなっていくのを見て、ここには居ないんだと悟った。

じゃあ、何処にいるんだ。

俺の可愛い幼馴染みは?

そんなことを思っていたら。

「久し振りじゃないか、冬哉君」

と声がかかり、振り返ればおじいさんがそこに居て、何か言いたそうな顔をしていた。

どうやら、ここでは言いにくいことらしくて顎で廊下にと指図され、渋々出ると。

「冬哉君。幸矢が、何処に居るか知らないか?」

と、切羽詰まったような声で聞いてきた。

俺は、首を横に振った。

俺だって、幸矢が何処に居るか知りたいんだよ。

何で、おじいさんが幸矢の居場所を知らないんだ?

俺の対応を見て、おじいさんは肩をガックリと落とし。

「そうか……」

と一言呟いて、背を向けていってしまった。


何が、どうなってるんだ?

って言うか、幸矢今何処にいるんだよ。

心配で、受験勉強が手につかないんだ。

早く帰ってきて、可愛い笑顔を見せてくれよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ