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想い

奴の手前、廊下で別れたが、本当は教室まで付き添いたかった。

彼女は、何時も顔では“大丈夫”って笑顔を浮かべてるが、心の内では泣いてる普通の女の子なのに……。


何で、誰も気づかないんだ。

あんなに華奢で、声からだってわかりそうなのに…。

育ちかたが異例とはいえ、何で彼女は自分を主張しないのだろうか?

これは、前から思ってた。

物心ついたときから…いや、生まれたときから男として扱われてたのが、ここに来て仇となってるしか思えない。

彼女の人生なのに家に縛られ過ぎてる。

かといって、俺が助けれるわけもなく…。どうしたら、彼女を助けられるんだ?

答えのない問題にしか思えない。


それに、さっきの誤解も俺は解かなくてはならない。

俺は、彼女の事しか見てないのだから……。



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