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0.5の距離
…スリー…ウェイ…
「佐久間、起きろ」
俺を呼ぶ声がする。昨日夜中までネット通販サイトでACU迷彩の3ウェイリュックを選んでいたせいだ、すこぶる眠い。
だが俺を呼ぶ声はおさまるどころか、その勢いを増していく。
「サクマ、カネミツ!」
のろのろと顔をあげると同時に頭に激痛が走った、どうやらブタれたらしい。声の主は数学教諭だ。高校2年になったばかり、まだ片手で数えられる程しか授業をうけていない。
「佐久間、お前は一体何の為に学校に来てるんだ?」
確かに。寝ぼけながらにも、この教員の言いたい事は理解できる。
どうにも俺は学校、教室、授業、というものが苦手らしい。
―俺は時間を止めた。




