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この国決まり事

第6話



アレンの住む国は、レグリア王国という。

大きな国じゃないけど、

昔から「学ぶこと」を大事にしてきた国だ。

父ちゃんが、畑仕事の合間に教えてくれた。

「この国はな、

 少し大きな都市を中心に、

 その周りに村を作る」

アレンは、地面に指で円を描いた。

「こうか?」

「ああ。

 都市が真ん中で、

 村がその周りを囲んでる」

アレンの村も、その円の一つだった。

都市には、ギルドがあり

様々な店がある。

そして――

教育の場所がある。

「レグリアじゃ、

 十歳になると、

 必ず三年間、勉強しなきゃならない」

「必ず?」

「ああ。

 貴族も、平民もだ」

父ちゃんは続けた。

「全寮制だ。

 泊まり込みで、三年」

「家に帰れないのか?」

「休みの日は帰れる。

 でも基本は、ずっと向こうだ」

アレンは少し驚いた。

「金は?」

「いらない」

「え?」

「食べ物も、服も、寝る場所も、

 全部国が出す」

それが、レグリア王国の決まりだった。

学ばせないと、

国が弱くなる。

だから、全員に学ばせる。

「アレンの村からも、

 今年は五人くらい行くだろうな」

「オレも?」

「十歳になったらな」

まだ一年先だ。

父ちゃんは、少しだけ声を低くした。

「勉強ができるかどうかは、

 はっきりどうでもいい」

「じゃあ、なにが大事なの?」

「三年、逃げずに通うことだ」

それだけだった。

夜、家に戻ってから、

アレンは一人で考えた。

都市。

寮。

知らない場所。

知らない人。

少し怖い。

でも――

魔法を勉強できる。

文字も、数も、

ちゃんと教えてもらえる。

「……行ってみたいな」

小さく、そう呟いた。

レグリア王国では、

十歳になると、

子供は一度、家を離れる。

それが、この国で生きるための

最初の一歩だった。

アレンは、まだ九歳。

でも、

その一歩が近づいていることだけは、

はっきり分かっていた。


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