ザン
第14話
ラグナート学園の生徒会は、十五人。
二年生と三年生も各五人
一年生も勿論五人。
全員、先生たちの推薦。
成績、生活態度、剣術、協調性。
どれか一つ欠けても選ばれない。
生徒会室に集まった面々を見て、
アレンは正直に思った。
(……全員、ちゃんとしてる)
威張る人はいない。
年上なのに、よく気がつく。
生徒の見本、という言葉がそのまま当てはまる。
一年生の五人は、次の顔ぶれだった。
まず――アレン。
全科目が平均以上。
特別目立たず、特別遅れない。
次に、ラグナート出身の少年、エルド。
計算と記録が得意で、数字に強い。
事務仕事を任せると早い。
三人目は、穏やかな性格の少年、フェリス。
文字と歴史が得意で、人に教えるのが上手い。
話し方が丁寧で、年上にも臆しない。
四人目は、剣術寄りの少年、グレイ。
動きは荒いが、根は真面目。
体力があり、雑用も率先して引き受ける。
そして――
最後の一人。
銀髪、銀眼。
姿勢が正しく、表情は静か。
名前は、ザン。
十歳とは思えないほど整った顔立ちで、
学園でもすでに知られていた。
剣術は、一年生の中で頭一つ抜けている。
勉学も同じ。
文字、計算、歴史、魔術の基礎――
すべてで高い評価。
「……完璧だな」
思わずそう呟いた。
ザンは多くを語らない。
でも、必要なことは必ず言う。
遅れている生徒には、
静かに、的確に教える。
無駄がない。
感情を表に出さない。
それでも、冷たい印象はなかった。
生徒会の集まりが終わり、
アレンが席を立とうとした時。
ザンと、目が合った。
一瞬だけ。
何も言葉はない。
それだけで終わった。
(……すごい人だな)
そう思った。
この十五人で、
学園の秩序を支える。
これから1年何度も顔を合わせ、
何度も一緒に動く。
だがアレンは、まだ知らない。
この一年生の中の一人――
ザンと、長い付き合いになることを。
今はただ、
同じ生徒会の仲間。
それだけだった。




