差が出る
第12話
ラグナート学園の一年生は、およそ二百人。
この都市ラグナート出身の子が、やはり一番多い。
次が、周囲の村々から来た子どもたちだ。
クラスは、四クラスに分けられていた。
人数は、ほぼ均等。
「居ないね」
ロイがそう言った。
何がとアレンは思う
「貴族の子、あんまりいないな」
ミハルが周りを見て言う。
それは、その通りだった。
爵位を持つ家の子息たちは、
もっと大きな都市の学園か、
王都の学園へ行く。
ここは、平民との家の子どもが集まる場所だ。
爵位を持ってる子ども達は計算を初め文字は勿論歴史、剣術、所作などは教育機関に入る前に勉強するので別枠である。
最初の授業は、文字と計算だった。
ここで、すぐに差が出た。
都市育ちの子は、すらすら書く。
村育ちの子は、手が止まる。
「……むずかしい」
誰かが小さく呟く。
次は、歴史。
国の成り立ち。
王家の話。
興味がある子と、
まったく分からない子で分かれた。
そして、剣術。
これも、はっきり差が出る。
木剣を持つ手つき。
構え。
足運び。
「おお……」
カイルは、明らかに慣れていた。
都市の道場に通っていたらしい。
一方で、
剣を初めて握る子もいる。
最後は、魔術の基礎。
詠唱の仕方。
魔力の感じ方。
使える子は、ほとんどいない。
ここは、全員が横一線だった。
アレンは、全部の授業を受けて思った。
(……だいたい、できる)
文字も。
計算も。
話も分かる。
剣術だけは――
少し、やりすぎそうになった。
一歩踏み出せば、
相手の剣が見える。
体が、自然に動く。
(……合わせないと)
アレンは、わざと動きを遅くした。
力も抜く。
それで十分だった。
「アレン、剣うまくない?」
ロイが小声で言う。
「……普通だよ」
本当は、違う。
でも、
理由は分かっている。
(魔物、だな)
畑の帰り。
森の外れ。
何度か、
本物と向き合ってきた。
それだけだ。
アレンは、そう思うことにした。
特別じゃない。
ただ、経験が少し違うだけ。
学園では、
目立つ必要はない。
ここは、
三年間、生きるために学ぶ場所だ。




