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ラグナート

2章都市編

第10話



都市の名前は、ラグナートという。

アレンたちの村を中心に、

円の内側にある、いちばん大きな街だ。

門をくぐった瞬間、

アレンは足を止めた。

「……人、多い」

道が広い。

建物が高い。

声が、重なって聞こえる。

畑も森も見えない。

代わりに、石の道と家がずっと続いている。

「すげぇ……」

隣を歩く子が、思わず声を出した。

ラグナートには、

三万人くらいが住んでいるらしい。

アレンの村の百倍だ。

護衛の大人に連れられて進むと、

今度はとんでもなく大きな建物が見えてきた。

「あれが学園だ」

父が言った。

白い壁。

広い門。

「でっか……」

正直、想像していたよりずっと大きい

村が丸ごと入りそうだとは思った。

その奥に、

きれいな建物が並んでいる。

「あっちが寮だ」

近づくと、さらに驚いた。

屋根がしっかりしていて、

壁もきれい。

壊れそうな感じが、まったくしない。

「ここに……住むのか?」

「三年間な」

父の答えは短い。

中に入ると、

部屋も思ったより広かった。

ベッドがあって、

机があって、

窓まである。

「……すげぇ」

アレンは、同じ言葉しか出てこなかった。

村の家より、

よっぽどちゃんとしている。

他の子どもたちも、

落ち着きがない。

「なあ、ここ本当に無料か?」

護衛の大人が笑った。

「心配するな。

 ここは国の施設だ」

アレンは、窓から外を見た。

遠くまで続く建物。

人の流れ。

聞いたことのない音。

(……村と全然、違う)

魔法を勉強できる場所だ。

父が、アレンの前に立つ。

「じゃあな、たまには帰ってこいよ」

それだけ言って、背を向けた。

急に、胸がぎゅっとなった。

でも、引き止めなかった。

ここが、

次の場所だ。

アレンは、

大きな学園を見上げた。

驚きっぱなしのまま、

都市での生活が始まろうとしている。



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