ギャル属性の石破僧侶とラッパー釈迦如来の邂逅
適当
ジュークボックスの前に、ひとりの僧が立っていた。
その名は石破僧侶。
煩悩まみれ、筋肉と欲望でできた破壊僧。
「も〜っ! このお寺、センス無さすぎィ〜!
CDのラインナップ、全部演歌じゃんっ!
ワタシ、もっとビート感じたいのぉ〜」
そう言いながら、石破僧侶はジュークボックスに入った古びたCDを一枚――
ぐにゃりと折り曲げた。
その瞬間、世界が止まった。
天が裂け、光が走る。
寺の中に、黄金のスモークと共に現れたのは――
釈迦如来。
だが、その姿は異様だった。
両手にマイク、背にはターンテーブル。
瞳は蓮花、ビートは極楽。
「Yo Yo Yo… 破壊の僧よ、
煩悩まみれのハートがHeavy Yo。
CD折るな、命も折るな、
お前のカルマ、今ここで焦がすな」
「え〜〜!? なにその登場!?
ワタシ今、普通にリラクゼーションしたかったんだけどぉ~
ラップとか、そういうの無理〜っ♡」
「Shhh——静かに聞け、破戒のシスター。
悟りのサウンド、これがブッダミキサー。
“欲”も“怒”も“痴”も、全部リリック。
お前の心、今、焼却ディスクリック!」
その瞬間、釈迦如来の掌から放たれたのは――
業火の如き金色の音波。
ビートが空気を裂き、経文がドラムのように響く。
「般若心経 Drop da Beat!」
「ぎゃあああ〜〜っ!
熱いっ! でも……なんか……
心が……スッキリしてくぅぅぅ♡」
煩悩が燃え上がり、石破僧侶の目が澄んでいく。
頬のチークが剥がれ、爪のマニキュアが消え、
そこに現れたのは――
清浄なる瞳、純然たる僧侶。
「……拙僧、悟りました。
ジュークボックスは壊すにあらず。
その音こそが、衆生を導く道なり。」
釈迦如来はマイクを回しながら微笑む。
「それでいい、Yo。悟りとは、壊すことにあらず。
心のトラックを、再生することなり。
Peace、Love、そして…南無。」
光が消え、釈迦は消えた。
静寂の中、ジュークボックスから流れ出す一曲――
**『南無・ビート・心経 Remix』**
石破僧侶は合掌し、微笑んだ。
「……今度は、壊さずに聴くわ♡」
適当




