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191 大人の本気

 こんにちは。


 職場で、自分の名刺を作る事になったので、証明写真を撮らないといけなくなったのです。

 

 証明写真が得意な人なんているんだろうか。あれ、人に見せても良いと思える顔で写るのって、難しいですよねぇ。

 スナップ写真だと、ポーズ決めたり、笑顔やヘン顔とか、小道具を持ったりしてお茶を濁せるんだけれど、証明写真こそ「真実を写す」という言葉通りというか……。まぁ、それでなかったら証明にはならないのですが。


 私の前に、三歳くらいの男の子と女の子でパスポート用の写真を撮りに来ていたのですが、これが大変。

 男の子は遊びに行きたいらしく、写真を撮られるのもいやで、絶対に写真は撮らせないマンになっていて、反対方向むいたり、顔を隠したり、背の高い椅子に座らされているので、ブラブラする足で青い背景シートを蹴りまくったり。お母さんが慌てて止めに入って、なだめすかしてもダメ。

 男の子があまりに嫌がるものだから、女の子まで証明写真のイメージがくなってしまった様子で、撮りたくないと断固拒否モードになってしまっていた。


「写真を撮らないと、旅行に行けないよ?○○くんだけお家で待ってるの?」というお母さん。ド正論。でも、男の子は迷うことなく半べそで、撮りたくない!待っている!行かなくていい!という。

 嫌な事でも、済ませないとどうしようもない事もあるって、もう少し成長しないと分からないもんなぁ……と思いながらも、私が小さい時は、それでも不服ながらにやっていた気もする。保育園の頃に受けていた注射とかがそうだと思う。

 結局は、やらないと次に進めないから、やらない選択が無いと理解していた気がする。そのへんの、本当に無理なのか、我がままを通してどうにかなるのかは、すごく冷静に判断をしていた気がする。


 結局、子供二人の機嫌が直らないと写真を撮る事は不可能なので、ちょっとその辺をフラフラしてきます、と出て行かれた。


 で、私の番。今回の私の証明写真は、スナップ写真に近いもので、真正面じゃなくてもいいし、何か持ったり手でポーズを付けたり、笑顔でも良かった。人に渡して好感の持てる写真……すなわち、ブロマイドみたいなものを撮れと言う事だ。

 写真を撮られるのは得意では無いから、逆に真正面しかダメだった方があきらめが付くんだけれど……仕方がない。しかし、私は大人だ。やらなくちゃいけない事は、乗り越えないと次に進め無い事は理解している。

 子供たちのあんな場面を見たから、客に腹が座った。


 パシャパシャと60ショットくらい、ポーズを変えたり、向きや表情を変えながら写真を撮られた。雑誌撮影とかで見る、モデルが動きを変え続けるやつ。アレです。全力ですよ。全力で向かって、結果がが得られないと、やり直しになるから、やり切らないと終われない。

 でも本音は、バリエーションなんて二個ぐらいで良いと思うんだけど……、なんでだかたくさん撮られて、その後、自分で選ぶのかなぁ?邪魔くさいし、自分の顔をまじまじと見るのも嫌だなぁと思っていたのだけれど、上司と同僚が画像を見て、あぁでもないこうでもないと、勝手に選んでいた(笑)

 私の意見ゼロかいっ!でもまぁ、その方がありがたいけれど。


 ということで、私はまた一つ、禊を終えました。乗り越えだけれど、魂抜かれたなぁ……

 見たか、子供たちよ。大人は、嫌な事でも全力投球よ!聞き分けの良い大人の本気です。

 撮られてる間ずっと、遠くで子供のごねる大声が聞こえていました……。あの子達、パスポート写真、撮る事が出来たのだろうか……親は大変だなぁ。




 

 

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