詩 夜の世界に降り続ける雨
夜に降る雨
色をなくした雨
冷たさを極めて黒く染まる
振り続ける雨は
すっと体に触れた先から
心の中にまで入り込む
誰かが見ている
お医者さんの目が見ている
夜の世界に閉じ込められたあなたを
じっと見つめ続けている
「雨はまだ降っているかい?」
「雨はまだやみません」
いつまでも
いつまでも
天井に蓋がかかったままで
開くことも陽を見る事もない
重い 分厚い 雨雲が
そこから退いていかない限りは
「君は心の中に夜を飼っている」
「君が朝を望まない限り、その世界はずっと続くだろう」