第1話 テンプレで異世界転生しました
俺は目が覚めると見覚えのない草木が生い茂る場所に居た。簡潔に思い出してみようどうして俺がここにいるのか…
俺は夜道を歩いている所にトラックが突っ込んできてそのまま死亡した。
その後、死後の世界なのか、それとも全く分からない世界で目が覚め神を名乗る女性に不思議な力を貰った。
目が覚めると見覚えのない草木が生い茂る場所←今ここ
頭で冷静にとりあえず今までの事を振り返ってみて思った事、言いたい事がすぐに浮かんだ。
「テンプレかよおおおおおおおおおおお!!」
トラックに轢かれて、神様に力貰って、異世界転生!ここまで分かりやすいテンプレ今時アニメや漫画でももうやらないし、ネット小説でももう書かないぞ!なろうとか!
これもテンプレなのかと思い軽く手を振り下ろしてみると、俺の状態が書かれたAR表示の半透明の板の様な物が出て来た。どうやらステータス情報の様だ。
「これもかよ!」
正直ツッコミ過ぎて少し疲れた。今の自分を把握しないとどうしようもないからな、ステータス情報をよく見ると、全体的なステータスは大して高くない(と思う。)ただし一部を除いて。
《ステータス情報
称号:なし
名前:トシアキ
種族:人族
年齢:15
装備:なし
レベル:1
スキルポイント(SP):0
マジックポイント(MP):∞
物理攻撃力(STR)50
物理防御力(VIT)50
魔法攻撃力(INT)50
魔法防御力(RES)50
器用さ(DEX)100
素早さ(AGI)100
運(LUK)0
》
名前は生前の俺と同じだ。年齢はだいぶ若返ったな。他は恐らく平均的だが、MPが∞ってなんだよ!続きをよく見ると《スキル》と続いていた。
《スキル
・終わりの無い進化
・無限
・鑑定眼
》
持っていたのスキルはこの2つだ。説明が見れるようなのでよく読んでみると、《終わりの無い進化》はその名の通り終わり無く進化し強くなれる様だ。強さは俺次第って事みたいだが、これも充分過ぎるくらいにチートだな。《無限》はMPが一生尽きないというシンプルな能力だがこれもチートだな。《鑑定眼》は任意の相手のステータスを見る事が出来る。これはチートではないがテンプレな能力だな。ステータスは平均だが転生してチートな能力を得るとかこれもテンプレだな。
「絶対に目立つよなこれ」
少し考える為に座って空を見上げてぼーっとしていると、これからの事で1つ思った事があった。武器や金の事だ。どうしたもんかと考えてみたがぶっちゃけ何も思いつかなかった。とりあえずステータスを見てみるとスキルの下に魔法とあり魔法が2つあった。
《魔法
・アイテムボックス
・ストレージ
》
正直、《アイテムボックス》も《ストレージ》も同じじゃないかと思うが、両方とも物を出し入れ出来る魔法の様だ。そしてどうやらステータス欄から何が入っているのか分かるようだ。入っている物を確認してそれらを装備した。大剣のアイアンブレードにマジックローブ、入っていたのはこの2つのみ。金も食べ物も無かった。
「金も無い、食料も無い、俺に飢え死にしろってか!」
いや、鍛える為にはサバイバルでもした方が良いんだろうな。でもサバイバルなんてやった事ないからな。昔家出して野宿ならしたことあるがその時のご飯は普通に買うか、金が無くなったら褒められないが万引きするかだったな。とは言え、ここは元の世界とは違う。もしここがファンタジー的な世界だとしたら、大きな街とかあれば中に入るのに税金が掛かるだろうな。小さな村でも恐らく兵士とかが居て簡単には入れないだろうな。行商人とかがいるだろうからその人たちを襲うか?っていやいや、流石に転生したら強盗になりましたとか笑えないぞ。つまり、動物か魔物を狩ってそれを行商人に売って金を得る。これしかないな。ただ狩りとかやった事ないけど。
ぐぅぅぅぅぅ~!
「考えるだけでも腹は減るか、植物は毒があるかもしれないし、となると動物を狩りに行くか」
どうにかしないとなと思いながら立ち上がると、近くの草むらがガサガサと音がした。音がする方向を向いてみると、5匹の狼が居た。
「《鑑定眼》!」
《ステータス情報
動物
種族:ウルフ
装備:なし
レベル:2
MP:0
STR:100
VIT:50
INT:20
RES:30
DEX:100
AGI:200
LUK:0
スキル
なし
魔法
なし》
1匹を鑑定したステータスはこれだった。他の4匹も鑑定したが多少の上下はあるが基本的には同じだった。たぶん今の俺より強いでも強さ的にはいわゆるチュートリアル用の敵だな。問題は強さよりも数だな。でも、今は敵の数も強さも関係無いな。何故なら今の俺は、ぐぅぅぅぅ!とても腹が減っている。肉食動物は不味く草食動物が美味いと相場が決まっている。でも、それも関係ない。俺にはあいつらが焼肉が歩いてきた様に見える。
「タン、ハラミ、ロース、モモ、ホルモン、何でもいい。俺は今腹が減ってるんだ!」
俺がブレードとローブを装備するとウルフたちが襲い掛かってきた。1、2、3、4、5、襲い掛かって来るウルフたちの爪や牙を避け、次はこっちから攻撃を仕掛けた。ブレードは背に背負わなければいけない程の大剣だが、最小限の動きで5匹のウルフの首を切り落とした。一瞬だった、俺には剣術どころか剣道の経験はない。というか竹刀すら握った事がない。なのになぜ出来たのか?分からないし何か音や声が聞こえたがとりあえず今はどうでも良い。今は狩ったウルフの血抜きだな。やり方は分からないが、とりあえず首は落としたから近くに生えてた蔓で後ろ足を縛り木に吊るした。
血抜きが終わるまで少し時間があるだろうから、それまでにさっきの音を確認するか。レベルがどうとか言っていたから恐らくステータスに関わる事だろう。そう思ってステータスを見てみると色々変わっていた。
《ステータス情報
称号:なし
名前:トシアキ
種族:人族
年齢:15
装備:なし
Lv:6
SP:100
MP:∞
STR:800
VIT:800
INT:800
RES:800
DEX:850
AGI:850
LUK:0
スキル
・終わりの無い進化
・無限
・鑑定眼
・見切りLv1
・剣術Lv1
魔法
・アイテムボックス
・ストレージ》
レベルが5上がって6になっているという事は1匹につき1レベ上がっていた。SPも結構入っているが1レベにつき20ってところか、他のステータスはかなり上がっていた。ついさっきまでの自分とはえらい違いだ。運は別だが。それからスキルが2つ増えてる。そういえば戦ってる最中にも声が聞こえたな。という事はこの2つのスキルは戦ってる最中に手に入るって事か?いいや、流石にそれはないよな。
ステータス欄でまるでヘルプみたいにスキルについて分かった。スキルは特定の行動やSPを使用する事で取得する事が出来るみたいだ。スキルにレベル表記がある物はスキルを使い続ける事で上げるか、SPを消費する事で上げる事が出来るみたいだ。
とりあえず俺はポイントを使ってスキルを2つ獲得する事にした。1つは解体術lv1ともう1つはサバイバル術合計40p使った。解体術には速攻でポイントを使ってレベルを上げた。ちなみにSPは全部使って無くなった。
《スキル
・終わりの無い進化
・無限
・鑑定眼
・見切りLv1
・剣術Lv1
・解体術Lv7
・サバイバル術
》
俺は早速新しく得たスキルを使って血抜きが終わったウルフの解体を始めた。残念ながら解体用のナイフとかは無いのでブレードを使って解体した。正直、この大剣で解体なんか出来るとは思えなかったが、かなり上手く出来たな。
皮やら牙とかの素材はストレージに仕舞った。肉はサバイバル術で調理する事にした。とはいえ、道具も何も無いので火を起こしてただ焼くだけだ。肉をブレードで切りブレードに刺して焼いた。良い感じに焼けたらそれを食べた。正直味は微妙だ。肉食系がイマイチだと言われる所以が分かった気がする。が、空腹で結構参っていたんだ。食は進んだ。空腹は最高のスパイスだってのがよく分かった。
食事に夢中で気づくのに少し遅れたが、一通り食べ終えてようやく気が付いた。スキルに1つ項目が増えていた。
《スキル
・終わりの無い進化
・無限
・鑑定眼
・見切りLv1
・剣術Lv1
・解体術Lv7
・サバイバル術
・料理Lv2
》
料理スキルが追加されていた。剣に刺して焼いただけで料理判定されるのは正直微妙だ。前世では趣味で料理していたからな。やっぱり色々と調理器具や調味料は欲しいな。防具や旅をするならそれ用の道具も必要になるし、となると金が必要だな。じゃあ、やっぱり街を目指すか!
《ステータス情報
称号:なし
名前:トシアキ
種族:人族
年齢:15
装備:
・アイアンブレード
・マジックローブ
Lv:6
SP:0
MP:∞
STR:800
VIT:800
INT:800
RES:800
DEX:850
AGI:850
LUK:0
スキル:
・終わりの無い進化
・無限
・鑑定眼
・見切りLv1
・剣術Lv1
・解体術Lv7
・サバイバル術
・料理Lv2
魔法:
・アイテムボックス
・ストレージ》