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どうか、わたしを幸せにしてやってください!

作者: 七瀬







わたしは、ただただ幸せになりたいだけ。

いつもそう思い生きている。

でも、男運が悪いのか?

変な男ばかりがわたしに寄ってくる。

以前付き合っていた元彼は、自分が言う事は全部正しいと

思っている男で、わたしが彼に何か言い返せば倍になって

返ってくる。

それがまた、めんどくさいというか?

ただただ、わたしが彼を好きだったのもあって黙って

聞いていただけだ。




・・・でも?

彼が他の女と浮気したことを知ったわたしは?

彼に、浮気の事を問い詰めると?

何時ものように強気な言葉で恰も自分が正しいように

わたしに言い訳から説教に変わっていった。

わたしは呆れて、彼にこう言う。



『俺は、浮気なんかしてない! ただ俺の魅力に気づいて勝手に

女が俺に寄って来るだけだ! お前がしっかり俺を捕まえておか

ないからこうなったんじゃないのか? それなら、オレのせいじ

ゃないよな! そうだろう、志乃羽。』

『・・・もう、うんざり!』

『えぇ!?』

『アンタって? 素直に謝る事も出来ないの? ホント、どうし

ようもない男! こんな男が好きだったかと思うと反吐が出るわ!』

『・・・志乃羽、』

『もうわたし達、終わりね!』

『・・・い、いや? そうじゃないだろう! 俺ともう一度ちゃんと

やり直したらいいだけの話だろう。』

『アンタ! どこまでダサい男なのよ!』

『・・・・・・』





わたしは、この男に区切りをつけた。

今になっては、あの男のどこが好きだったのかも思い出せない。

元彼と別れて、もう直ぐ1年になる。

“恋”はしたいけど? “恋人はいらない”

“結婚相手”がわたしは欲しいのだ。

誰でもいい訳じゃなく、本当の心から愛せる人がいい。

でも? そんな都合のいい男性ひとはわたしの前に現れない。

それでもどこかでわたを連れ去ってくれる

“白馬の王子様を待っている”のかもしれない。




 *



・・・それから。

今日、職場に新しく入ってきた新入社員の男性が2人がいた。

1人は、物凄く爽やかでカッコいい男性だった。

もう一人は、オタクっぽい人でわたしのタイプじゃない。

わたしは、カッコイイ彼に目を付けて

少しずつ彼に近づく事にした。



『初めまして、わたしは、近藤と言います! 経理の仕事を

しています。』

『こちらこそ、初めまして! 今日からこの部署に配属になりました

紀ノ川と言います。』

『・・・紀ノ川さんは、ご結婚は?』

『いえ、まだ僕は独身です。』

『紀ノ川さん、カッコいいからモテそうですよねぇ~』

『・・・いやいや、僕はモテませんよ。そう言う、近藤さんは結婚は?』

『わたしも、まだ独身です。』

『彼氏や好きな人ぐらいいはいますよね?』

『・・・それが、今はいないんです。職場に若い人いなかったので。』

『じゃあー“僕に恋してくれますか?”』

『えぇ!?』

『冗談ですよ! 冗談!』

『・・・そ、そうなんですね、』





ここで紀ノ川さんは、上司の田中に呼ばれて行ってしまった。

でも? 彼は本気なのか?

初対面のわたしにいきなり、“僕に恋してくれますか?”と

言ってきた。

わたしは、気持ちが動転している。

久しぶりに感じる、【ドキドキ感。】

わたしは、完全に彼にオチてしまう。





・・・その頃、もう一人の彼は?

簡単な仕事を任せられて何度もミスしていた。

完全に、皆からはコイツは仕事が出来ない奴とレッテルを貼られる。






わたしは、日に日に彼と仲良くなっていった。


『今度、ふたりでご飯でも食べにいきませんか?』

『えぇ! いいですよ。』



わたしは、彼と間違いなくいい雰囲気なっていた。

このままいけば、わたしは彼と付き合って結婚するだろうと

妄想も膨らんでいった。

そんな時、私の知らない女性と彼が楽し気に二人で話している

所を見かける。

わたしは、その事を彼に言うと、、、? 

彼は何の悪気もなくこう言った。



『昨日、紀ノ川さん一緒にいた彼女は誰ですか?』

『あぁ~“彼女だよ!”』

『えぇ!?』

『つい最近、彼女と付き合いだしたんだ!』

『・・・そ、そんな、』

『じゃあーまた! 彼女に怒られるから次からは二人だけで

話さない方がいいね!』

『・・・えぇ!?』





・・・何!? この急な展開は?

わたしは、あっけなく彼にフラれたの。

この日、わたしは会社の近くの公園でコンビニで買った缶ビール

を一人で飲み、ヤケ酒をしていた。

そこに、あのもう一人の彼がやって来る。



『近藤さん、こんなところで何してるんですか?』

『・・・えぇ!? 飯野君こそ、何してんのよ。』

『ぼくは、よくこの公園で仕事が終わると一人で居るのが好きだから。』

『・・・そ、そうなんだ。』

『女の人が、1人で公園で缶ビール飲むのって? 何かあったんじゃ

ないですか? ぼくでよければ、話ぐらい聞きますよ。』

『えぇ!? いいの?』

『それって! “図星?”ですか?』

『・・・・・・』

『嘘ですよ! どうぞ、話してください!』

『・・・ううん。』






わたしは、全て素直に彼に話した。

わたしが、紀ノ川さんの事が好きだった事やフラれた事。

何故だか? この人の前だと素直に何でも話せる気がした。

わたしは、間違ってた事に気づく。

見た目じゃなく、中身だったと、、、。

わたしは、彼の事が好きになり始めていた。



『良かったら! どうか、わたしを幸せにしてやってください!』

『えぇ!? うん!』

『・・・ありがとう。』




最後までお読みいただきありがとうございます。

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