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今、会いに行きますお義母さん(3歳差)

由樹の実家はオレの住む町の小さな駅、[丸早駅]から、会社のある中心市街地のハブ駅である[富岡駅]とは反対方向に向かって快速電車で約30分。途中で一回乗り換えてさらに15分ところの山森駅のちかくにあるらしい。


車で行くと、もう少しかかるし、

「お母さんが「夕飯を食べにおいで」ってことは、もちろんお酒が飲める状態できなさいってことなんです」

という由樹の助言により、電車での移動となった。


タノシミダナー


由樹のお母さんは、二海みのり 41歳。

スマホで写真を見せてもらったけど、由樹をそのまま大人にしたような、凛とした大人の美人だ。

写真だけ見れば、ちょっとキツめのスラッとした、まさにオレのどストライクなのだ。


ちょっと「踏まれたいかも」とか思ったりしなくもなかったのは、ナイショだ。墓場まで持っていく。


21で大恋愛の末、由樹、実樹、真樹という3人の娘を産んだそうだ。末っ子の真樹ちゃんがお腹にいる頃に夫は他界したらしい。


仕事は町の診療所で看護師として働いている。それまでは富岡駅前の総合病院で働いていたそうだが、由樹を授かった後に転職をしたのだと。

趣味は酒。

本人曰く「どれだけ飲んでも酔わない」

由樹曰く「飲んだらすぐ手が出る。酒ぐせ悪いよ」


いやー、生きて帰れるのだろうか

タノシミダナー!!



妹の実樹ちゃんは高3。山森市内の進学校に通っている。

なんでも、姉妹のなかで最も社交的。

友達も、そして彼氏の数もブッチギリ。

最近は10歳年上のカレシに貢いでもらってるらしいけど。

実樹ちゃん曰く「オトコを見る目は確かよ!」

だって。

実樹ちゃんが産まれてから今までの人生と同じ時間彼女がいなかった超モテない君の私としては、チョット怖いナー



末っ子の真樹ちゃんは高2。

おとなしく、引っ込み思案な性格。

でも頭脳明晰。実樹ちゃんと同じく進学校に通うが、成績はダントツのトップの特待生。

真樹ちゃん曰く「私は第三の眼を持つ。人間の隠された心理を読むことができる」

だって。


あれ、心の奥底まで見透かされそうな冷たい視線で射ぬかれる姿が想像できるよ。あれ、なんだか、帰りたくなってきたナー。



そんな、個性的な二海ファミリーに思いを馳せながら、怖じ気づきながら、電車の車窓から外をぼんやり眺める。


「大丈夫ですか?昨日はほとんど眠ってらっしゃらなかったようですし、今朝も早くから…」

由樹が不安そうにオレの顔をのぞきこむ。


「大丈夫だよ」

…と言おうとしたが、緊張で喉はガラッガラ。

某未来の世界のネコ型ロボットさながらの(先代の声優さんのね)

「ダイジョウブダヨ(ノビ◯クン)」

みたいな声が出た(泣)


今朝は朝から市内をはしりまわってお土産を選んだ。喜んでもらえたらいいんだけど。と思いながら、手に持つ紙袋がじんわりと手汗で濡れて、また焦るのであった。


「山森~山森です」

電車内のアナウンスが流れる。

「着きましたね、行きましょうか」


オレたちは決戦のステージへと降り立つのであった。

BGMで某ロボットアニメの曲でオレのカラオケのオハコが流れてるぜ。


「死に◯く男たちは~」って、まさに。


駅前はオレの家のある丸早駅より、ちょっとくたびれた歴史ある街並み。駅前には小さな商店街がオレたちを出迎える。


「この商店街を通っていったら近いんです」


商店街はところどころシャッターが閉まったままなのだろう店舗が目立つ。


「ここのお店、私学生時代アルバイトをずっとさせてもらってたんですよー」

今はシャッターが降りた店舗を指す。

お花屋さんだったっけ。

ところどころ剥がれかけたピンクを基調とした塗装は、往年の面影を残している。

「おじさんが病気になっちゃって、今はお店を閉めてるんです」

なんだかさみしいですよね、と由樹は付け加える。



魚屋の角を右に曲がると、一軒の民家の前で立ち止まる。平屋の趣ある家だ。

昔は店舗兼住居のような仕様だったのだろう。


家の前には、小さな花壇。パンジーと葉ぼたんが植えられていた。


「ここですよ、着きました」








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