小松美佳の衝撃
小松美佳ちゃんの視点です
「えーーー!!!!!!」
いつぞやと同じく社員食堂の中心で何度目かの衝撃が走る。
私、小松美佳は図らずもまたこの歳下の親友に驚かされた。
お互い、ようやく外回りを任され、多忙を極めていたが、ようやく親友とのひさしぶりのランチデートだ。
「まぢで告白したの?」
「は、はい。」
「で、こないだ初デートで朝帰り下って?」
「は、はい。いちおう…。美佳ちゃん、この質問、もう5回目だよ」
いいの!いいのよ!いまだに信じられないから!
なにこの急展開。
アタシも読者の皆様もビックリだわ。(作者だってビックリ←)
この娘、ウブ(今時つかうのか?)だと思ってたら、意外とやるわね…。
「でもアナタ振られてるわよね」
だって「応えられない」って台詞は「付き合えない」ってことよね
「は、はあ。まあ。そうですね」
「告白して(勘違いされてたけど)、それから一月間何かしら口実つけて毎日メールのやりとりして、プレゼント交換して、誕生日デート(居酒屋だけど)して、振られたのに朝帰りして、それからも毎日のようにメールしてんのよね!?」
「は、はあ、まあ概ねあってます」
「で由樹ちゃんは、なんで振られたのに幸せそうな顔してるの?」
「え、うーん、あの方(一応社食なので名前は伏せてる)が、本当に私のことを考えてくれてるってわかるから…」
ポッと顔を赤らめて潤んだ目を伏せる。
こ…この娘、ほんとに怖いわ…。
相手のディフェンスを巧みにすり抜けて、ゴールへ突き進むforwardルーカス・ポドルスキのようだわ…。
私は皿の上に盛られたパスタの存在をすっかり忘れて、喋り続ける。
「で、どこで朝を迎えたの?由樹ちゃんの部屋?それともあの人のマンション?」
「い、いえ、西口Poyfullです」
「え?ファミレスじゃん。てことはヤってないの?」
「へ?…やるってなにを?」
「いや、だからナニを」
蒲生部長が聞いたらぶっ倒れそうな会話だったということを知るのは随分あとになってからだ。
アタシはナニをヤるのかを詳しく説明した。
途端、由樹ちゃんは天狗の面のように顔を真っ赤に染めて、椅子から崩れ落ちそうになったから慌てて止めた。
「なんでファミレスで朝むかえるよよ!中学生の女子会かよ、」
計算かと思ったら天然かよ!
「いえ、誘ったんですよ!私の部屋で飲みましょうって。でも自分をもっと大切にしろって、言われました。意味わからないよね」
いや、わかるけど。そりゃ上司としては言うわな。
さすが、蒲生部長。冷静で真面目なのか、ヘタレなのか。
「でね、私、聞いたの。Poyfullで!『私の部屋で語り合う以外に何がしたいんですか?』って」
聞くか!そこ!聞いちゃうの!?
「そしたら酔ったようにお顔真っ赤になって、ちょっと鼻血がでてましたけど…。はぐらかされて、ちゃんとは教えてくれませんでした」
ヘタレのほうやったわ。
私は彼女の第一印象は、大人しい“少女”。私は大学時代から少なからず男性経験はあったし、それなりに大人の“つもり”だった。
しかし、彼女は第一印象からはガラリと違い、天真爛漫かと思いきや、妙に計算高かったり。朗らかのように思える時もあれば、心の深いところに闇を感じるときもあり。
気がつけば、私は歳下の由樹ちゃんに目が離せなくなっていた。
いわゆる“ファン”的な。
そして、大親友になった。私も由樹ちゃんになら何でも話せるし(彼女のキャパを超えない範囲で)。彼女も私に何でも話してくれる。(そしてそのたびに驚愕させられる)
しかし、天然とヘタレの恋って親展するのか?
彼女のことが心配な反面、とても(ワイドショー的な側面で)気になって気になって仕方ない自分がいた。
今までで一番書きやすかった(笑)




