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中学時代の同窓会

作者: 各務原逍遥

 三週間前に、中学時代の同窓会の案内ハガキが届いた。この同

窓会は、オリンピックの年ごとに開催しようというコンセプトで、

幹事二人を決めて行なっている。

 今までに、一度しか出席したことがなく、それも十年以上前に

なる。なぜ欠席ばかりしていたかというと、市内のレストランで

最初は行っていたが、だんだんと遠くに一泊旅行を兼ねて行うよ

うになり、お金もかかるし、予定もたたないため欠席をしていた。

 その都度、ハガキの通信覧に、

『そんな遠くへ行かなくて、市内でやってほしい!』

 と、書いて返信ハガキを出していた。


 今年は、市内のレストランで開催すると言うことで、久々に出

席をすることにした。

 受付に三人座っていたが、会費を払うとき、お互い直ぐに誰だ

かが分かり、名前を呼びあった。

 会場へ入ると、すでに大勢が集まっていて、個々に談笑してい

た。そんな中に入ると、女性陣が、「広報に載ってたよね」とか

「新聞に載ってたね」と、そのことで、名前と顔が一致したと言

われて驚いた。

(メディアの力は、ある意味怖い……)


 皆と色々と話をするなか、中学時代の面影が残る顔、まったく

誰だか分からない別人だと思える顔、話している内にだんだんと

分かってくる人、お互いに「誰だっけ!?」と訊いて名乗っても、

ピンとこない人、「あいつ性格が変わったよな」と思う人など、

人それぞれであった。

 百八人いる卒業生の内、六十人が集まり、最初に集合写真を撮

った後、会場で懐石料理を食べながら、ひとり三十秒で自己紹介

と近況報告をした。

 あとは、各席に着いて話をしていると、すでに他界している仲

間が十人いることが分かった。それも男ばかりである。仲間たち

の冥福を祈り全員で黙祷をした。


 こうして二時間半が、あっという間に終り、次回は四年後では

なく、二年後にまた元気で会いましょうということで、一本締め

をしてお開きとなった。

 二年後、自分も含め、皆な変わらない元気な姿で会いたいもの

である。


 

 

 

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