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Morbid relations  作者: 皐月
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序章 ー悲劇ー

 初投稿になります。至らない点など多々あると思いますがよろしくお願いします。


 今回の話はヤンデレ、病んでいる恋愛ものです。物語の性質上、残酷な表現がありますので苦手な方はご遠慮下さい。


 「Morbid relations」  病的な関係ということで相手に依存するという、周りから見ると異常なドロドロとした話になっていく予定です。


 それでも見て下さるという方は、どうかお付き合い願います。


 高校2年で自分の命の危険を感じる時が来るとは思いもしなかった。今ここは自分の部屋であり、自分のベッドの上だ。だがしかし元々白いはずのシーツは真っ赤に染まっている。それどころかベッドの下の床にまでその色は広がっている。未だにベッドからは何の混じり気のない純粋な赤い液体が滴り落ちている。


 声が出ない。


 体の自由がきかない。


 視界までかすみ始め、呼吸の仕方でさえも思い出せなくなる。意識が朦朧としてきた。命の危険を感じると言ったが、それすら正しいのか分からない。いや、きっと数時間もしない内に俺は死んでいるだろう。


 薄れていく意識の中で、最後の足掻きとばかりにどれだけたったかすら分からないが必死で暴れ続けてきた。否、暴れているつもりだった。実際は暴れるどころか指一本、自分の意識で動かせているかどうかさえ怪しかった。



 もう動くことさえ、出来なかった。



 動くことを諦め、自分の現状を認識することにした。今、自分はベッドの上にいる。見慣れた天井であることから自宅だと容易に判断できた。間違いなくここは鈴木(すずき) (りゅう)、つまり俺の家だ。


 腕や足、首は関節を含め決して太くはない麻の縄で縛られている。手首を見てみると痣ができていた。更にその上、血まで滲んでいる。多分、足や首も同じ様なことになっているのだろう。

 

 だがそれすら痛みに入らない。


 服はしっかりと着ている。着ているのはグレーの服だ。しかし今では、グレーと判別することができない程に自分の真っ赤な血で染まっていた。

 腕や胴には刺し傷と切り傷が複数あり、そこからは大量といっていい程に血が今尚、溢れている。


 助けを呼ぼうにも高校から一人暮らしを始めた俺に、今この状況で助けを呼べる奴なんていない。それをこいつは知っていた。最早、視界は開けなくなっていた。それでもぼやけている視界の中でそこで満足気に笑っているであろう奴を睨みつける。

 

 そいつはカッターナイフとハサミをそれぞれ手に持っている。何を思ったか俺の血がまだ滴り落ちているそのナイフとハサミを使って



   ーそいつは自分自身の腕を切りつけた。



 一切の躊躇いもなく。自分の目を疑ってしまう光景が目の前にあった。そいつの腕からは凄い勢いで血が流れ出ている。痛みを感じていないとしか思えない。そいつは満足気な顔をしている。それどころか自分の血が床に落ちていくのを見て更に微笑んだのだ。


 何を思ったか、そいつは両腕に数えきれない程に切り傷を作り始めた。当然のごとく血は更に勢いを増して流れだす。しかしそいつは苦痛に顔を歪めるどころかしばらくして更に勢いよく切り傷を作り始めた。

 こんなものでは満足できないとでも言うように。小さな子供が面白い遊びでも見つけたかのように嬉々として血を流していく。


 ひとしきりして満足したのだろうか。一つ頷くとその流れる血を床へ、ベッドへ、俺の服の上へとかけていった。そして最後にその血まみれの手で強引に俺の口をあけ、血を流し込み始めた。


 一分程だろうか。実際はもっと短かったかもしれない。そいつは血を流し込むのを止め、俺に向かって微笑んだ。そしてそいつは、その女は何か一言発して俺に倒れこんできた。俺にはもう、はっきりと聞くことはできなかったがおぼろ気ながらに聞こえたのだ。



       「これで一緒だね」



 その後、俺は気を失った。


 それから数日後、その家からは2つの死体が見つかった。学校へ登校していないことから心配になった女子生徒が教師に相談したところ、その生徒の家に行くことになったのだ。当然だが片方の家には何もなかった。しかしもう片方の家はそうはいかない。その教師によって死体は発見された。とても寒い2月半ばの頃だった。

 


 死因はどちらも出血多量。不自然な点は女子生徒がその男子生徒に抱きついて死んでいたということ。男子生徒の傷は間違いなくその女子生徒がつけたものであると確定した。しかし、最後のその死んだ姿を見てみるとほとんどの人が彼女の意思を汲み取ることができなかった。



 そんな中、その死んだ姿を見て明らかに周りと違う反応をとった女子生徒達が現れた。その内の一人は教師に報告した生徒だがそれ以外にも3人の生徒がいたのだ。合計4人の女子生徒はその死んだ姿を見ると共通の言葉を発した。それぞれ聞いた場所は違う。しかし彼女たちは口を揃えて言ったのだ。


      

      「「「「羨ましい」」」」




 俺こと鈴木 龍の人生は17という歳で終わった。

 いきなり主人公が死んでしまいましたが、これからはこれまでの過程を書いていくつもりです。

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