悪魔との出会い7
「ジル、元気を出せよ!」
ザガンが私の肩をぽんぽんと叩いてくる。
それにしても困った、ザガンと千年付き合うって、どうしょう。
平原を馬車でゆったりと進んでいる、ザガンは珍しそうにあれこれ聞いてくる。
リリーはのんびり歩いているし、状況は平素と変わらない。
「なぁ、ジル、せっかく長い付き合いになったんだから聞くんだが、
ジルの望みは何だ?」
「望みと言いますと?」
「ああ、こうしたいとか、こうなりたいとか、あるんじゃないか。」
「そうですね、私は世界のことを知り尽くしたいのですよ、
でも、なかなか思いどうりにはなりませんね。」
「ほう、思い通りにはならんかね。」
「まぁ、世の中、そうそう自分ばかりに行動できませんからね。」
ふむふむとザガンが頷いている、ちょっと嬉しくなるな、気持ちを判ってくれるらしい。
「どうだね、ジル、俺が君のコンサルテイングを引き受けようではないか。」
「何ですか、コンサルテイングというのは?」
「なに、君が世界のことを知るための環境整備と助言をするのさ。」
ザガンがにこやかに笑いながら提案してきた。
おかしいな?
「いいか、こう見えても俺は五千年は生きているのだよ、多少の経験があるし、
コンサルテイング業務に関しては本職だぞ。」
「え、そんなに生きているのですか、」
「どうだね、俺と契約しようではないか。」
「どんな契約をするんだ?」
「いや、なに、大したものではない、俺も暇だからな契約の目的を達するまで、
コンサルテイングを引き受けるという契約だよ。」
「私の目的が達成するまでの契約ですか。」
「そうだ、単純だろう、報酬はその間は必要であれば俺が環境整備を行ってよいという許しだな。」
「環境整備ですか、まぁ、迷惑にならなければかまいませんよ。」
「おう、そうか、そうか、よし契約は成立だな。」
何故かザガンは大喜びで握手を求めてきた。
なんとなく結んだ契約。
私は、このとき、皇帝への道を歩み始めたのだ。
悪魔との出会いは私に不死の呪いと、幸運と、世界の知識を知る機会を得ることになった。
皆わかるだろう、私の目的が達成されるまでのコンサルテイングとは、
終わらない目標を追い続けるという意味だ。
そして、ザガンは不死の悪魔だ、悪魔との契約は目的が達成するまで終わらない。
永い永い、人生の始まりになった。
だが、決して不幸ではない、世界中の知識を知ることは私の目的なのだから。




