悪魔との出会い4
「ジルベルト、ちょっと長いな、ジルで良いか?」
「いいですよ、私の師匠もジルと呼んでいますよ。」
大男は頭をかき、首を傾げて私を見る。
「ジル、あんたはこの世界では何をしている? いや、職はなんだ?」
私の職業のことかな、
「学者ですよ、世界を動かしている神々の神威を調べています。」
「神々? えーと、俺が先ほど感じた神力を使っている者たちか?」
「神力とは何ですか?」
「ええい、どうも話が交わらないな。」
大男は少し考えている風だった。
「俺はこの世界には初めて来たんだが、どうも気にいらない者たちの存在が多い。」
「気にいらない者たちですか、もしかすると神々のことですか?」
「どうやら、お前が言う、世界を動かしている神々のことだ。」
「あなたは神々とは、どういう関係になっているんですか?」
大男は、「ふん、」と小さく声をだし、顔をしかめる。
「俺たちは彼らとは対極に居る者だよ。」
「対極ですか、」
「いいかい、俺たちも彼らも創造神によって生み出された者だ。
まあ、元は一緒なんだが。」
「え、あなたも神なのですか。」
「おい、その神と言うのはやめろ、悪魔と呼べ。」
「悪魔? 初めて聴く言葉ですね。」
「そうだろうな、悪魔がこの世界に来たのは俺が最初ではないかな。
ここには魔力の気配が無いからな。」
「魔力ですか?」
「おう、俺が使うのは魔力という世界の理を紡ぐ力だ。
神力というのは世界の事象を変える力だ。」
うーむ、ザガンが言うことが判らん。
「それはどう違うのですか?」
「えー、何と言ったらいいかな?」
ザガンはまた暫らく考え込んでいる。
「そうだな、神力は世界を変える力だが、これは神にしか使えん、
創造神が彼らに与えた者だからだ。」
「魔力は違うのですか?」
「魔力は違う、世界の理を紡ぐ力は、紡ぐ方法を知った者が使うのだ。」
「知った者?」
「そうだ、魔力は誰でも扱うことが出来る。」
ふーん、何と言ってよいのか判らない。
「まあ、難しいことは理解するには時間が掛かる、
ところで俺たち悪魔はサービス業を手広くやっているんだが。」
「何ですかサービス業て?」
「判りやすく言うと他人の手伝いをする者たちだよ。」
「手伝い?」
「おう、便利だぞ、ただし、報酬は貰うがな。」
ザガンは彼らの職業について語り始めた。
夜は深く暗い、焚き火の灯りは話し込む二人と一匹を浮き上がらせていた。
何故か魔獣たちがこちらを見ている気配はするが近づいてこない。
後から思うと、悪魔ザガンの魔力を恐れていたのかもしれない。




