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夢の中で皆死んだ。


夢の中で力を手に入れたら皆死んだ。


夢の中で死んだのに本当に皆が死んだ。


夢の中で死んだのに本当に存在すら死んだ。


死んだと言う表現すら死んだ。


何故だか私は絶望した。


夢の中で只絶望した。


     ◇◆◆◇


「この町…なんで誰もいないのさ」

金色の髪を靡かせ、街角の隅で客取りをしているかの様な外見の女が呟いた。


町の広場の中央にある噴水に腰掛け、気怠げに辺りを見回す女は、ともすれば昼間から客取りをしているだけにも見えた。


「アイツの仕事にろくなの無いわね」


金色の髪の女は、昔からの知り合いである現フューゾル市の市長となった黒髪の女を思い浮かべ、陰鬱な気分になった。ふと、違和感を感じ自分の右手を見てみた、手首から先が消え失せていた。


「…は?」


痛みは無い。

そのせいか、右手が消失しているにも係わらず何処か実感が湧いて来ない。


金色の髪の女は周囲を見渡した。


「…クリムゾン・フィールドか…」


周りの景色は変わりが無いが、空気が違った。

例えるならば、見知らぬ土地にたった一人で立っている、あの形容しがたい感覚が今のこの空間にあった。


「貴女は生きてるの?」


いきなり少女が現れた。


少女…と言うと語弊があるかも知れないが、年の頃なら15・6歳の黒髪を肩口まで伸ばした、少しボーイッシュな感じの子だ。

「…アンタ誰?町の人?」

金色の髪の女は黒髪の少女に尋ねた。


「はい…私はこの町の人間です…他の人は何処に行ったか解りません…」


金色の髪の女は、先程感じたクリムゾン・フィールドはこの少女の発生させたモノだと感じた。


尤も、他にこのフィールドを発生させる存在が居ないのだから当たり前の話なのだが。


「…私はジュディ、アンタの名前は?」

ジュディと名乗った金色の髪の女は、黒髪の少女に尋ねた。


「私は…ティナ、ティナ=キィです」

ティナと名乗った黒髪の少女はジュディに答えた。


「そう、ティナね…ティナ、単刀直入に聞くけどアンタ、クリムゾンに会ったでしょ?」

ジュディがティナに聞いた。


「クリ…ムゾン?」

ティナには理解出来て居なかった。


ジュディは違和感を覚えた。

「…もしかして後覚醒者…ティナ、この町がこんなになった理由は解る?」


ティナは少し考えるそぶりをして答えた。

「多分、私が…やりました…」


ジュディは確信した、後覚醒者だと。

「ティナ、アンタは契約する時に…ってアンタには良く理解出来てないだろうけど…」

ジュディは説明が苦手だった。


「つまりアンタは、この世界で禁忌な力…ごく一部しか知らない力をアンタの意思を無視されて契約されちゃったって訳」


「禁忌…契約?」

やはりティナには理解出来ていない。


ジュディは構わず続けた。

「アンタ、私と来なさい」


ティナには頼る存在は全く無く、この出会いによりこれからの道標が決まった。


しかしそれは、契約に縛られ決められた道に過ぎない一本道なのかも知れないのだった。

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