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05. フェアリ・ドラゴン(2)

「伯、伯爵!」


伯爵の登場に最も驚いたのはマルトン男爵だった。

その間、男爵のそばにいた白髪の男性が伯爵と男爵の間に割り込んで男爵を保護するように立っていた。

そのようにしばらくの対峙が行われる頃、伯爵の後ろに見慣れない人物が前に出た。

伯爵の補佐官であるラウルだった。


「これは本当に困ります。 男爵様、拘束を解いて逃げるとは···」


人のいい笑顔を浮かべて目笑を見せる補佐官に、言葉に男爵がびっくりした。


「私は、私は罪がない!」

「そうです! あの少女が卵を盗んだ泥棒です!」


それに負けまいと白髪の男も補佐官に向かって発作のように抗弁した。


「え、本当にそう思っているのですか?」


ラウルはまるですべてを知っているかのように余裕のある表情をしていた。

「誰だ···?」


一方、流れる状況に戸惑ったメリは、見知らぬ人物の登場に好奇心を示した。

状況から見て、確かに伯爵の人であることは間違いなかった。

一方、状況を見守っていた伯爵の白い靴が客室の中に入った。


「研究用目的の卵を途中で何度も盗んだ」


「……!」

「それも珍しいポリープの卵をね。 まして途中で盗まれたと言ったか?」


伯爵は男爵の罪を一つ一つ指摘した。


「そしてあの少女が胸に抱いている龍。 あの竜が君が盗まれた卵だというのは事実だろう」


「うっ?!」


驚いたマルトン男爵は驚いたように叫んだ。


「すでにすべての証拠は確保されている。 男爵。もっと時間の無駄はやめたい」


男爵をじっと見つめる伯爵の姿は冷ややかだった。

メリだけを感じたのではなく、男爵の顔色も青ざめていった。


「ラウル」


伯爵は命令が含蓄された呼びかけだった。


「はいはい、分かりました。 どうぞお静かにお帰りください」


節度ある姿勢で男爵を指すその瞬間、男爵が突発行動を起こした。


「このまま素直に連れて行けない!」


男爵は腕から鋭いものを取り出し,伯爵を脅かした。


「キャー!」


これに対し、メリとビビアンが驚いて叫ぶが、伯爵の行動がもっと早かった。


《チェーンテール》


無言の呪文が発動されるやいなや、マルトン男爵の周辺に巨大な魔力の鎖が現れた。


「うわぁ!」

「男爵様!」


男爵はもちろん、その一行の手足が拘束され始めた。


「ちっ、余計なことをするな」


伯爵が不快感を表現すると同時に、ラウルが感嘆詞を吐いた。


「おお!さすが伯爵様です!」


「…ラウル」

「冗談です。 冗談!その怖い顔をしてください。 閣下」


伯爵はラウルの軽い言行に眉間をしかめるだけで、反応しなかった。


-こつこつと


男爵を通り過ぎて、メリ が前に立った伯爵が淡泊な口調で尋ねた。


「大丈夫か?」


伯爵の言葉に、メリはやっと緊張が解けたように、足に力が抜けて恥ずかしさを感じる間も座り込んでしまった。


「…はい」

「ピィー!」


いつの間にか完全に目覚めた小さな龍も伯爵に向かって力強く叫んだ。


その姿を見た伯爵が片方の膝をついて小さな龍を胸に抱いたメリを気をつけて立たせてくれた。


「内容をちらっと聞いたはずだが、この小さな龍の元の所有者は学術院側だ。 そのため、利用と共にすることは難しいだろう」


同時に伯爵は、メリに受け入れなければならない現実を悟らせた。


「補償は十分に行われるだろう」

「……」


顔色が暗くなったメリは返事もなく黙々と小さな龍を見下ろした。


「ピィィーィ?」


別れをまだ知らない小さな竜が、純真な瞳を輝かせながら、メリを見上げていた。

小さくても長い首をぐっと上げて、メリ の頬に顔をこする小さな龍。


「……」


伯爵はもちろん、そばで様子をうかがっていたビビアンも厳粛な雰囲気だった。


-パーン!


突然大きな音がすると同時に列車が急激に揺れた。


「キャー!」



ビビアンの切羽詰った叫びが終わるやいなや、列車が急激に止まり始めた。

伯爵は、メリと小さな龍を包み込み、姿勢を低くした。


「姿勢を低くしろ!」


伯爵の言葉が恐ろしいほど、ビビアンも姿勢を低くして頭を抱えた。

一方、外からは騒がしい足音が聞こえてきた。

列車の乗務員と見られる人が現れ、一行に向かって大声で叫び、驚くべき事実を伝えた。


「前にいた機関車が爆発しました! 今すぐ避難してください!」


◇◆◇


メリと一行は列車の外に出ることができなかった。


「うわぁ、崖だ」


列車が止まったところがまさに絶壁の真上だったためだった。


「ここでじっとしていなければならないのか?」


ビビアンの甲高い悲鳴に、メリももどかしいのは同じだった。

伯爵は万が一の事態に備えて旅客車両を分離し、シールド魔法が入った指輪を一つ渡した。


(非常時に使用するように。呪文はシールドを叫べばいい)


その言葉を最後に伯爵は客室の外に出た。

したがって、客室の中には2人だけが残ることになった。 もちろん小さな用途も一緒にだ。


「ピーィィ」


小さな龍は、空気を読まずにおしゃべりしながら、部屋の中を歩き回っていた。


「明るいね」

「そうだね」


これを虚脱した表情で見守る「メリ」と「ビビアン」だった。


「ところであのドラゴン、名前は何?」


ところが、その時、ビビアンが特有の茶色の目を輝かせながら、メリに向かって尋ねた。


「…うん?名前?」

「うん。名前は決めてないの?」


ビビアンの質問にあごをつきながら悩みに陥ったメリは、しばらく悩んだ末に答えを出した。


「まだないんだけど。 そして伯爵の言うことを聞かなかったの? 別れなければならないかも知れないと言うじゃないか···」


メリの言葉が最後になるほど力が抜けた。

余計なことを聞いたのかと思い、ビビアンが顔色を伺っていると、突然「メリ」がぱっと立ち上がって叫んだ。


「ビビ!」


メリ の叫びに ビビアン が彼女を見上げると、お互いの顔が合った。


「龍の名前ね! ビビアン、あなたの名前を取ってビビはどう?」


「…何だ⁉︎」


荒唐無稽なビビアンの叫びを後にして、メリが小さな龍に向かって近づき、持ち上げながらささやいた。


「これから君の名前はビビだよ!」


そのようにして龍の名前が決まった。


「キャー!」


小さな龍、いや今はビビという名前の幼い龍も喜ぶようにつぶやいた。


「よし、勝手にしろ」


仕方がないという表情を浮かべたビビアンが、2人の酒種を眺めていた。


「ピーゥー?」


ところが突然、ビビの動きが尋常ではなかった。

急にその小さな首をかしげ、メリ の手から抜け出した。


「あっ!」


客室にある窓の方に上がろうともがくビビの姿に疑問もしばらくビビアンが疑問を示した。


「でも、何か変なにおいがしない?」


-くんくん


ビビアンは具体的に匂いを嗅ぎながら部屋の中を見回り始めた。


「におい?」


ビビアンの言葉にメリも匂いを嗅いでみたが、どこからか焦げた匂いがするようだった。


「窓の外みたい!」


ビビアン が小さな竜のビビを指して言った。


「ビビが何か嗅いだみたい。しきりにドアの方に下顎をするんだけど?」


ビビアンの言葉に、ビビーのある方に近づいた。


「どうしたの、ビビ?」


そうやってBBを持ち上げようとした瞬間。


-ピユン


窓の外に何かがメリ の頬を軽く通り過ぎた。


「メリ!」


ビビアンの驚きの声が聞こえるやいなや、メリが叫んだ。


「今すぐ伏せて、ビビアン! 銃だよ!」


その正体は銃弾だった。

メリが頭を下げて後ろに下がった。


「ピぃー!」


ビビはやはり驚いたのか、その間、ビビアン の方に転がった。


「はっ、ビビ!」


驚くのをしばし逃さず、誰かが窓を割って侵入した。


-わいわい


ドアが割れる音とともに見慣れない足音が聞こえてきた。


「いやはや、ずいぶん探したね」


-こつこつ


前に出てきた人は全身を黒い服と布で包んでいた。

見えるのはただひらめく敵の中だけ。


「ここにいたんだ、レディーたち」


いやらしく微笑んだハイトーンの人が指したのは小さな龍のビービーだった。


「素直にそのフェアリー・ドラゴンを渡さないと」

「……!」


敵の言葉にメリは歯を食いしばった。


「誰が渡したんだよ! ビビアン逃げろ!」


そして、客室のドアの近くにあるビビアンに向かって叫んだ。


「何言ってるんだ、メリ!」


ビビアンが小さく抗弁したが、メリの気持ちは強かった。


「早く行って伯爵様を呼んで来てくれ!」


そして、目でビビアンとドラゴンを隠して意思を伝えた。

その目つきがどういう意味なのか理解したビビアンがうなずいた。


「…分かった!」


その姿を見守っていた敵が笑い出した。


「ふぅ、笑わせるレディーたちだね。 誰がそんなに簡単に送ってくれるの?」


敵の言葉が終わるやいなや、ビビが呪文を叫んだ。


「ビビアン! ビビを頼むよ!」


《シールド!》


メリの叫びに合わせて飛び込んだビビアンが、BBを胸に抱いて客室の外に飛び出した。

一方、メリ はシールド魔法をかけ、敵に向かって突進した。


(魔法を使うチャンスはたった3回)


銃を持ったことが怖くなければ、嘘だった。

今も座り続けた

いほど全身が杉の木のように震えてきた。

それでも。


(騒ぎ立てたやつらはおそらくお前の小さな竜を狙っているだろう)

(はい?)

(それだけ重要な用だということだ)

(この小さな龍ですか⁉︎)

(そうだね。それでも君が小さな龍の主人であることを自任するという覚悟があるなら、一つ提案をするよ)

(私が守る)


このまま竜を、私のパートナーを素直に奪われることはできなかった。

目の前の敵にも。

卵の本来の主人にもだ。


「クウッ!」


敵の攻撃にシールドが割れた。 その衝撃で後退したメリは、不慣れな苦痛に苦しんだ。


「ふぅ、びっくりした。 レディー、本当に無謀だねか?」


敵意を持った女性がいたずらな笑みを浮かべながら手にした魔弾銃の芯を引いた。


-タン!


しかし、銃弾はシールドに阻まれただけで、メリ の手の先一つ届かなかった。


-ひゅっ!


本当に目の前から弾丸が飛んできた!


「残ったチャンスはたった一度!」

「ほう、アーティファクトか。 いいものを持っていて!」


敵の言葉が終わるやいなや、メリ を狙った銃が連続して発射された。

今回もやはり弾はシールドに阻まれた。

シールドを使う機会がすべて終わった。


(伯爵様が来るのはまだまだかな?)


汗まみれの顔に恐怖が漂い、全身の震えが収まらなかった。


「時間がないからこれで終わりにしよう。 お会いできてうれしかったよ、レディー」


(あ、終わった)


本当に終わったと思った瞬間、ちょうど軟弱で小さな泣き声が聞こえてきた。 今は慣れた音だった。


「ピーィー!」


まさにビビの叫びだった。

同時に、温かくて居心地の良い力が感じられた。


-ひゅっ!


速い弾丸がかすかすかすと通り過ぎた。 一方、銃弾を避けるやいなや、目の方で慣れない異物感が感じられた。


「まさか『同調化』ー?!」


敵の甲高い叫びが聞こえてきた。

いつの間にか、メリの瞳孔は長く裂けており、虹彩はピンク色を帯びていた。

『ドラゴン・アイズ』だった。

パスワードの設定にエラーが発生し、投稿が遅れました。 昨日分までにアップロードする予定です。 ありがとうございます。

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