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南極へ
パヤスは、そう言って海面へ急降下していった。詩音ば、おずおずとあとから着いて行った。
パヤスは、海面まで降りると、腰に下げた袋のなから、笛を出して鳴らした。すると、イルカたちが集まってきた。その中のリーダーらしいイルカが、なぜか、人間の言葉で話し始めた。
「あなたは、もしかして、パヤスさまですか?」
「そうだ」
「父親から、噂は聞きました。魔法を使えるそうですね。となりにいる、人間の男の子は何者ですか?」
「ああ、今回のオレのマスターだ」
「マスター? ああなにか願いごとをしたのですね」