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南極へ
詩音は、パヤスに尋ねた。
「南極まで空を飛ぶって、そんなことできるわけないじゃない」
「魔法を使えばできるのさ」
詩音は、パヤスの言うことが、今ひとつ信じられなかった。パヤスがいった。
「ためしに、いま、飛んでみな」
「どうやって?」
「飛ぼうと思うだけでいいんだ」
詩音は、パヤスに言われたとおりにしてみた。すると、本当に身体が浮き上がった。パヤスも、それにあわせて、浮き上がった。
「うわ、うわ」突然のことに詩音はあわてた。
「オレの魔法の実力を信じる気になったか、小僧」
詩音は、あまりのことに驚いて、声が出なかった。
「よし、このまま南極へ飛んで行くぞ」とパヤスがいった。