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パヤス復活
「天国だって?お前の母親は死んだのか?」
「うん」
「なんてこった!」
パヤスは、その場で飛び上がった。詩音は、きょとんとした。
「もっと簡単にかなう願いかと思っていたら、天国にいるって?どうすりゃいいんだ?」
パヤスは、考えぶかげにウロウロと歩きわたった。詩音は、それを見ていて、なんだかおかしくなった。
パヤスは突然立ち止まった。どうも、いい考えが浮かんだらしく、その場で、ぴょんと飛び上がった。
「これは、南極に住んでいる、知恵者のナトゥーラに、どうすりゃいいか、聞くしかねえな」
そういいながら、パヤスは、腰に下げた袋から、指輪を取り出した。
「さあ、これを左手の薬指につけな」
「どうして?」
「空を飛ぶためさ」
「空?」
「ああ、空さ。南極まで空を飛んでいく。その指輪、はずすなよ」