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ナトゥーラの城
「なるほどね。でも、あんたにそんな願いごとをする人間なんているのかね」とナトゥーラ。
「たぶん、いねえな」とパヤス。
詩音は、二人の会話を聞いていて、もし、自分の願いがかなったら、パヤスを自由にしてもいいと思った。
「それで、いつ、幽冥界へ行くんだい」とナトゥーラ。パヤスが答えた。
「明日にでも」
「じゃあ、今夜はここに泊まりな」
ナトゥーラの好意に甘えて、パヤスと詩音は、ナトゥーラの城に、一晩泊まった。そして、翌日、城を出て、幽冥界へ旅立った。
「ねえ、幽冥界へは、どうやって行くの?」
「まず、イギリスまで行って、ストーンヘンジから、幽冥界へ入るんだ」空を飛びながら、パヤスが
いった。
詩音は、不安だった。まったく未知の世界へ行くからだ。いまは、パヤスを信じるしか、手がなかった。
パヤスと詩音は、半日でイギリスに着いた。ストーンヘンジまで来てから、パヤスが、地面になにかを書き始めた。詩音が、パヤスに尋ねた。
「なにしてるの?」
「魔法陣を書いてるんだ」
「なにそれ?」
「説明はいらん。魔法陣を使って、幽冥界へ入るんだ」




