ナトゥーラの城
パヤスにそう説明されても、詩音にはよくわからなかった。幽冥界? なんだろうか? この世界の裏側? そんな世界が、本当にあるのだろうか?
「で、この子の母親は、善人だったのかね」とナトゥーラ。
「たぶんな」とパヤス。
「善人なら、神が天国に連れて行っただろうけど、悪人なら、地獄に堕ちただろうさ。地獄に堕ちたなら、とても、この子の母親には会えないよ」
「なるほどな。おい小僧、お前の母親は、善人なのか?」
「もちろん」と詩音。
「それなら、天国にいるだろうね」とナトゥーラ。
「幽冥界の一番奥に、天国への門がある。そこから、天国へ行けば、その子の母親に会えるだろうよ」
「ほんと?」と詩音。
「ああ、本当に」とナトゥーラ。
「でもな、幽冥界には、グアがいるからな。面倒だな」とパヤス。
「あの、大魔法使いかい? あんたを人形にした」
「憎ったらしいやつだぜ」とパヤス。
「グアの魔法を解除できるのは、神だけだろうからね」とナトゥーラ。
「いや、グアの魔法を解除する方法は、ひとつだけある。」
「なんだい、それは?」
「オレへの願いごとで、オレを自由にすると願えば、もとに戻れる」




