第8話
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あれからそこそこ長い距離を歩き続けていると、奥の方にひとつの建物が見えてきた。
近づいて見てみると、普通の一軒家ほどにしっかりとした大きさの家であった。
正面にはドアと、二階の辺りに所々窓がはめられていた。
歩きながら家の外装を見ているとすぐにドアの前に着き、そのままフェルミさんに着いていきながらも恐る恐る目の前の家の中に入っていった。
中に入ってみるとすぐ右手側には二階に登る階段があり、正面には大きいテーブルと椅子が4つ置かれていた。
奥の方にはキッチンもあり、とても生活感をこの空間から感じることが出来た。
そして案内されるがまま正面の椅子に座った。
マナは私の横に座り、フェルミさんは反対側の椅子に座った。
イキシアちゃんもどうやらお茶を用意してくれていたらしく、私たちの前にティーカップを置くとフェルミさんの横に座った。
「それじゃあ早速話して行こうかしらね」
イキシアちゃんが座ったのを確認するとフェルミさんはそう言って話をし始めた。
「まずこの世界には大きくわけて4つの種族がいるわ。 まず一つ目が私たち、別世界からやってきた人達。 一般的にこれらの人達は《《プレイヤー》》と呼ばれているわ。」
「プレイヤー……? やっぱりここはゲームの……?」
「いいえ、有希は怪我をした時に普通と違った傷だったりとても早く傷跡も無く完治したりしたかしら?」
「はい……確かにそうですね」
「実はこの世界だと私たちだけがこういったことが起きるのよ。 イキシアは元々この世界の人間だけど怪我はするし、もうひとつのプレイヤーの特徴、《《EXスキル》》も持ってないわ」
「EXスキル……?」
マナさんが不思議そうにフェルミさんの言った言葉を復唱していた。
「プレイヤーにはそれぞれこの世界に来た時に必ず一つこのEXスキルを持っているわ。 簡単に言うとその人のみが持っている固有能力って感じね。 能力は日常生活で役立つようなちょっとしたものから私たちの固定概念を覆すようなものまで色々と存在しているわ。 あなた達も何かしらのEXスキルを持っているはずだけれど何か今までと違う感覚とかはあるかしら?」
そう言われて私とマナさんはそれぞれ何かあるかとしばらく悩んでいたけれど、結果としては私たち2人ともそういった違和感は何も感じていなかった。
「2人とも本当に感じないの? スキルを持たないプレイヤーなんて聞いた事ないけれど……」
私たちの返答にフェルミさんは困ったように言ったが、やはり私もマナさんも何も感じない。
「うーん……なんでなのかしら……」
困っているフェルミさんを見て私は少し憂鬱な感覚に襲われた。
ただでさえ私はかなり人よりも能力が低いといった自覚はある。
勉強とかも特に得意な教科もなく、運動能力も平均以下、たまにやる時雨とのゲーム対戦も基本連敗だ。
そんな自身のコンプレックスが今、さらにもうひとつ増えようとしているのだ。
私は気づいたらとても暗い顔をしてしまっていた。
そんな私の表情を見たマナさんは私を励ますように気さくに話しかけてきた。
「ほら有希ちゃん元気だして! スキルがないのは私も同じなんだからさ!」
「でもマナさんと違って私はとっさに動けたりもしないしマナさんみたいに色んなことが出来るわけでもないし……」
私がそうネガティブオーラマックス状態でいるとマナさんは少し困った表情をしながら話題を変えるようにフェルミさんに話しかけた。
「そ、そういえばフェルミさんはどんなEXスキルを持っているんですか?」
「私? 私のスキルの名前は変身、一度触れた生物に体の一部を変化させたりその生物になったりもできるわよ」
フェルミさんのその話を聞いて私はさっきの戦いの時にフェルミさんの足が曲がって見えていたことを思い出した。
「もしかしてさっきの戦いの時に足が曲がっていたのって……」
「あら、見てたのね。 あれは脚力強化、早く強く地面を蹴れるように足を変化させてたのよ」
「グラスホッパー……それってもしかしてバッ……」
「よし! それじゃあこの世界にいる種族についての話に戻ろうか!」
私が呟いていると私のその呟きを消し去るように大きな声でフェルミさんは別の話題に強引に変化させた。
「えーっと、コホン。 それじゃあ次はイキシア達の種族、人類種について説明していこうか」
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