第4話
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「凄いですね、こんなにすぐに焚き火作ったり色々できて」
私がそう言うとマナさんは嬉しそうに笑いながら
「昔からいろーんなことに興味持ってた子だったからね。 気付いたらこんな普通使わないような技術まで身についちゃったんだ。 まあ、幸か不幸か今使うタイミングが来たけどね」
マナさんはそう言うと枝に刺した狼の肉を焚き火の近くに刺して焼き始めた。
「いやー、ところでここってどこなんだろうね」
マナさんが肉を焼きながらふと呟いた。
「ほら、私たち二人ともなんでここにいるかとか分からないわけでしょ? 気付いたらここにいてって。 それに有希ちゃんのその傷、まるでゲームの世界だとか異世界に転移しちゃったみたいだよね」
そう言われ、私は自分の足の傷を見ながら私がここに来る前の記憶を思い出そうとした。
しかし、いくら考えても上手く思い出すことができない。
普段の生活の記憶自体は残っている。
思い出そうとすればしっかりといつもの高校生としての何の変哲もない日常を思い出せる。
ただ昨日何してたか、その記憶だけはどれだけ考えても一切出てこなかった。
「ほら、有希ちゃんどうぞ」
そう言われマナさんの方を向くとしっかりと焼けた狼の肉を私の方に差し出していた。
ありがとうございますと言いながらおろおろとした手つきで串がわりの枝を持った。
「それじゃあいただきまーす!」
マナさんがそう言っているのを見て私も静かにいただきますと言ったあと肉にかぶりついた。
特に味付けもされておらず、獣らしい独特の味。
しかし今日初めての食事であるお陰なのかそういった癖をかき消す程の美味しさを一瞬にして感じることが出来た。
1日断食しただけでこんなにも衝撃的になるのか、美味しすぎてまるで1年間断食した後のような衝撃に感じた。
とは言っても今まで1年はおろか1日も断食したことは無かったが、たまにやりたくなるほどには私にとって強い衝撃であったのだ。
マナさんの方を見てみるとまなさんの方もとても美味しそうに食べているようだった。
そうしてしばらくして2人とも食べきって少し落ち着いた時間が出来た。
「これからどうしよっか?」
石の上に2人とも座ってゆっくりしているとマナさんが呟いた。
「これから……?」
「ほら、私たち二人ともここについてなーんも分からないじゃん? だから明日からどうしたらいいのかなーってさ」
「うーん……」
もし村とか街とかを見つけることが出来ればとりあえずこの場所についての知識は手に入れることは出来るかもしれない。
しかし2人ともこの場所の地理に詳しくない状態でノープランで進んで本当に大丈夫なのかといった問題は確かにある。
「……進んでみませんか?」
「進む……?」
私が提案すると復唱するようにマナさんは答えた。
「私たちが出会うことが出来たってことは他にも同じような境遇の人がいるかもしれませんしそれになんの根拠もない話になるんですけど…… いる気がするんです、この世界に住む人達が」
私がそう言うとマナさんは少し考えてから優しそうな声で言った。
「……そうだね。 ここは有希ちゃんの直感に賭けちゃいますか!」
そう言われて私は少しほっとした。
「よし! それじゃあ明日のためにそろそろ寝ちゃおうか!」
マナさんがそう言い、長い長い1日が終わりを迎えた。
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