第3話
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「大丈夫? 襲われてたっぽかったけど…… 怪我は?」
目の前にいるその女性は心配そうにそう言った。
私はぼーっとしながらも彼女の方をじっと見ていた。
腰ほどまでに長く伸びた赤い髪の毛に紫色の目の身長の高そうな見た目をしていた。
服装は私と同じ白いワンピースのようなものを着ており、私と違うのは手に自分で作ったであろう木と石でできた簡単な槍を持っていることだった。
そこまで思考を巡らせた辺りでようやく状況を理解することが出来てハッとした。
「あっ、えっと……」
そう呟いていると足に再び激痛が走り初めて悶絶した。
自分の足を見てみると右足に石が見事に貫通して刺さっているようだった。
「大丈夫!? とりあえずこれ抜いてみるね!」
彼女はそう言うと地面に座っている私の足の下へと移動してからせーのっ!と私とタイミングを合わせながら素早く私の足から石を抜いた。
抜く瞬間より強い痛みに襲われつつ、すぐに痛みは落ち着いていき、刺さっていた時程の痛みでは無くなった。
痛みの山を超え、安堵のため息を着いていると、彼女がとても不思議そうな声で呟いた。
「……? これは……?」
その声につられて彼女の方向を見てみると、自分の右足が自分の想像とは違った光景になっていた。
石が刺さっていた場所は出血することはなく、なおかつ傷すらもなかった。
しかし、その代わりに私の足には見たことの無い言語化の難しい…… 例えるのならばまるでゲームのダメージを受けた時のエフェクトのような赤いエフェクトが私の足についていたのだ。
「なに……これ……」
「あなた自身もこの傷? のことは分からないってこと?」
私が困惑した声でそう呟くと彼女はそう質問してきた。
「えっと…… はい…… 何が何だか…… ……あの、ところであなたは……?」
質問に答えつつ、私はようやく目の前にいる彼女について質問をした。
助けてくれたってことはきっといい人のはず……
それに私と同じ格好ってことはもしかしたら同じ境遇の人の可能性もある。
「ああ、そうだね。 まずは自己紹介からにしよっか。 私の名前はマナ。 気づいたら何故かこの森にいて辺りを探索してたらちょうどあなたを見つけたの」
そう言われ、私と同じような境遇であるということでとても安心した。
「そうなんですね…… 私の名前は有希です。 私も気付いたらここにいて……」
そう言うとどうやらマナさんも安心したのか明るめな声で話し出した。
「あー良かった! 同じような人がいて。 独りでいきなりこんなところに放り出されて寂しかったから会えて本当に良かったよ!」
マナさんがそう言うと、空からの光が少なくなってきているのを感じてふと空を見上げた。
するともう夜に差し掛かっていて遠くにはオレンジ色の空が消えかかっているのが見えた。
私が空を見上げたのを見て同じようにマナさんも空を見上げた。
「もう夜みたいだねー。 近くに安全そうな洞窟とかも無かったしとりあえず今日はここで野宿かな。 有希ちゃんは足も怪我してるし待っててね」
マナさんがそう呟くと、そのまま私を置いて作業を始めてしまった。
私もここにいていいのかと少し不安になりながらも私はその場でマナさんの作業風景を座ったまま見ていた。
マナさんはこういったことに慣れているのか材料集めや火起こしなどをものの数分で手早く終えてしまった。
何か手伝いたいとは思いつつそれ以上に邪魔をしたくないといった思考との間で葛藤している間に終わってしまったのだ。
真ん中にはしっかりとした火の灯った焚き火が置かれ、その近くに大きめの石が焚き火を中心に対になるように2個置かれていた。
怪我してるんだし有希ちゃんはそこに座ってていいよと言いつつマナさんは槍を持って先程しとめた狼の元に向かった。
それを終えると今度は槍から刃の部分になっていた石を取り外すとこれまた慣れた手つきで狼をズババっと解体してしまった。
そうしてマナさん特製即席野宿セットが一瞬のうちにできてしまった。
きっと私の場合だと同じ材料が揃っていてもこの数十倍の時間がかかった上で諦めていたと思う。
こうしてマナさんと一緒にこの場所で初めて、そして人生で初めての野宿が始まった。
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