第16話
その後私はクロナさんと別れて、私は特にすることもないため理由もなく辺りを歩いていた。
途中雑貨屋に入ったりなどしつつ歩いていると、いきなりどこからか悲鳴が聞こえてきた。
反射的に杖に手をかけ、いつでも抜けるようにした状態でその悲鳴の聞こえた通りへ向かった。
通りへ向かっていると、その通りから多くの人が私とは反対の方向に死にものぐるいで走っていた。
そんなに一体何が存在しているのか不安になりながら人の波をかき分けながら進むと、王都では今まで見たことの無い、ただ、何度も見た姿が私の視界に写っていた。
そこにはチルドレンがいたのだ、それも一体じゃなく見えるだけでも5体は見えていた。
「なんでここにチルドレンが!?」
私は驚きながらそう呟きながら手にかけていた杖を抜いた。
ただ、今は私一人、それに、私の魔法はどちらかと言うと支援寄りの魔法が主になっている。
クロナさんが手っ取り早くみんなの手助けになりたいならと相手の妨害に特化した魔法を多く教わっていたのだ。
チルドレンは逃げ遅れている人たちを襲おうとしているようだ。
とにかく考えている時間はない……!
私はそう考えると一度深呼吸をして、魔法を唱えた。
『パイルショック』
妨害技、パイルショック
杭を撃ち出し、撃ち込まれると、撃ち込まれた相手に電流が流れ続け、しばらくの間動きを止めることが出来る。
唱えると、杖の先に魔法陣が生まれ、そこから4発ほどの光った杭が発射された。
その杭は二体のチルドレンに当たると、当たったチルドレン達はしばらく痙攣しながら杭の部分なら少しづつ蒸発しているようだった。
そのチルドレンに襲われていた人はその隙に私の横を通り、ありがとうと言いながら一目散に逃げていった。
私はチルドレンに当たったことを確認すると、もう三体にも同じように杭を射出した。
その隙に見渡す限りの人は全員逃げることができたようだった。
最後の人が逃げ終えたことをみていると、最初に当てた二体の杭の効果が切れたようだった。
ダメージと言ってもそこまで多くは与えられていなかったようでもう最初の時と同じくらいには回復してしまっていた。
やはり効かないのかと思いつつその二体をみていると、まだ痙攣していたはずの三体のうち、一体が元いた場所にいないことに気付いた。
「……まさかっ!?」
叫びながら後ろを向くと、チルドレンが私のすぐ後ろで私を狙っていた。
私は反射的に後ろに下がり、ギリギリ攻撃を避けた。
けれど、目の前の一体だけでなく、横目で後ろの方を見てみると、ほかの4体にいつの間にか囲まれているようだった。
どうやって切り抜けようかとどうにか冷静になって考えようとしていると、いきなり目の前のチルドレンの後ろから魔法の火の玉が数発飛んできて、私を囲っていたチルドレン全員に当たった。
チルドレンはその火の玉に当たると全て蒸発し、消えてしまった。
私が居なくなったチルドレンのいた場所をみていると、私の方に数人が近づいてきているようだった。
その多くの人の足音に、その方向を向くと、先頭に立っていた女性が私に話しかけてきた。
「あなた怪我はなかったかしら? 国民の避難の手助け、感謝するわ」
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