第10話
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フェルミさんは私を励ますようにそう言うと、少し悩んでいる表情を見せた。
そして数秒後、私とマナさんに向かって少し驚いたことを言った。
「二人ともこれから先行く場所もないでしょう? もし良かったらここで私たちと暮らすのはどうかしら?」
こちらとしてはその提案はもう願ったり叶ったりではあるけれども正直言ってこんな見ず知らずの二人をいきなり仲間に入れようと言ったようなこの発言の意図が私にはよく分からなかった。
「その提案は嬉しいですけど……どうしてそこまでしてくれるんですか……?」
私がそう問うと、フェルミさんより先にイキシアちゃんがその問いに答えた。
「フェルミは結構こう見えてお人好しだからね。 多分そこまで理由といった理由はないんじゃないかな? 二人のことを気に入ったってことだと思うよ」
「こう見えてって何よ……」
フェルミさんがイキシアちゃんの言葉に不服そうに一言だけ呟いた。
「それで二人ともどうする? 私としては新しく仲間が増えるのは大歓迎だよ!」
イキシアちゃんにそう言われ、私とマナさんはそれぞれ一瞬目を見合せたあと、答えた。
「ぜひお願いします! イキシアちゃん! フェルミさん!」
「わ、私もお願いします!」
そう言って私たちは頭を下げた。
その姿を見たフェルミさんは嬉しそうに微笑むと優しい声で答えた。
「こちらこそよろしくね、有希、マナ」
フェルミさんが言い終わるとイキシアちゃんがパンッと一回手を叩くと笑顔で話し始めた。
「よしっ! 話は終わったし、日も暮れてきたわけだしとりあえず夕飯にしましょ!」
「そうね、二人増えたことだしいつもよりも多く作らないとね。 二人も手伝ってくれるかしら?」
「はい!」
「はっはい!」
私たちはそう返事すると同じ部屋に設置してあるキッチンの方に4人で向かった。
あれから夕飯を食べ終わり、私たちは二階の一室をそれぞれ借りた。
部屋は特に窮屈には感じないほどに広く、家具としてはドアから見て左奥にベット、その反対側に椅子と机、そして手前にはクローゼットがそれぞれ1つづつ置かれていた。
ベットと机の間には外からも見えた窓があり、窓を覗いてみるといつもの風景とは少し違った風景が見えた。
夕飯の準備中には昨日と同じようにマナさんがお得意の料理スキルを思う存分披露したり、案外フェルミさんが料理があまりできないことがわかったりして少しだけフェルミさんに対して親近感が湧いた。
私は久しぶりのベットに寝転がるとこの世界に来てから一番と言っていいほどリラックスすることが出来た。
そしてその状態で私はこの2日間を軽く振り返って安堵していた。
いきなり平原に放り出されて2日後にはこうやって屋根のあるところで安心して眠ることができる。
考えれば考えるほど様々な幸運に巡り会うことができたと感じて神様が本当にいるなら感謝したいと思った。
そんなことを思っていると、疲れと思った以上のベットの心地良さで急に眠気が最高潮になってきて私は気を失うように即座に寝てしまった。
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