第4話 大規模テスト試合7 戦術と問題発言とスキルの有無(通常版)
「・・・それで戦術なのですが、部隊を3つに分けた方が良さそうです。」
そう言いつつ、ステータス画面に備わる戦術記述ツールを披露するデュリテ。海王の艦隊の仕様をほぼ熟知しているからこその業物だろう。俺は今このツールがある事を知ったしな。
俺の目の前にウインドウ画面が現れる。これは他の全員にも共有されるものらしい。そこに映し出されたのは、今現在のマップの様相だ。俺達の艦船が正確に表示されている。これは今現在の現状の状態である。そこから仮想的に動きがなされていく。
まずは囮部隊。メンツは俺とウェイス・サイジア・ナディト・エルフィの5人。現状で一番攻撃力と防御力、そして耐久力を誇る戦艦群である。特に目玉は俺の大和だ。とにかく全ての攻撃を受け切るのが目的となると思われる。
次に攻撃部隊。メンツはヴィジェラ・シュテナ・テリス・ミーシェ・ダデュラの5人。攻撃筆頭株はヴィジェラの駆逐艦だ。巡洋艦を扱うシュテナとテリスは支援になると思われる。その3人を守るのが、戦艦を扱うミーシェとダデュラとなる。
最後に支援部隊。メンツはデュリテ・アセリス・ルティネス・ナーシュ・ウィルナの5人。デュリテは航空戦艦を扱い、ルティネスは空母を扱う。遠距離攻撃が可能なので、近接戦闘は不向きだ。その2人を支援するのが戦艦を扱うアセリスで、更にその3人を護衛するのが戦艦を扱うナーシュとウィルナとなる。
気質的にはミーシェとナーシュ、そしてウィルナとダデュラが一緒の方が効率が良いとは思う。そこをあえて分散させたのは、攻守共に優れた選抜と思われる。特にミーシェの陸奥とダデュラのティルピッツは魚雷発射管を装備している。攻撃の面では一枚上手だ。
「四天王を攻撃部隊と支援部隊に各1隻配分した方が良いのでは?」
「私も最初はそう思いました。ですが、相手はあの大和が15隻ですからね。可能な限りの全ての攻撃を受けて貰うために抜粋しました。」
「要は全て守り通せば済むってもんですぜ!」
「十八番の発言キター!」
提示された戦術内容に対して、俺から提案をした。四天王の戦艦を各1隻、他の部隊に配置するというものだ。しかし、このプランは既にデュリテが考えていたようであり、それが現状からして不利に繋がると思ったから止めたみたいだ。
俺達の役割は、敵側の全ての大和の攻撃を受ける事だ。他の10隻の味方艦の矢面に立つ必要がある。現状はここにいる全艦船の中で、防御力がある俺達しか成し得ないものとなってくる。よって、俺と四天王の組み合わせとなったようだ。
そんな中、ナディトによる十八番の名言が繰り出される。彼がよく口にする、全てを守り通せば済む、これである。その名言に対して茶化しを入れるミーシェである。それを伺った俺達は自然と笑ってしまった。
確かにナディトの言う通り、全てを守り通せば済む事だ。そのための強大な力を持つ戦艦になるのだから。特に俺が扱う大和が顕著で、実質的に全ての攻撃を受け切るつもりで動いた方が良いかも知れない。それだけ相手がヤバ過ぎる証拠となるのだから。
「攻撃部隊は囮部隊の後方に展開、支援部隊は更にその後方に展開の形で。本来なら攻撃部隊が先行するのですが、それだと集中砲火を浴びて終わるかも知れません。」
「今回はヴィジェラ様の駆逐艦がキーパーソンですからね。」
「大和の一撃を受けたら、例え防御力3倍でも轟沈しかねませんし。」
その通りだろう。俺達の中で一番脆弱なのは、駆逐艦を扱うヴィジェラだ。下手をしたら即死しかねない感じである。その彼女をどう守るのかがキモとなりそうだ。非常に難しい課題となりそうである。
ただし、うちらの中で一番機動力を持つのはヴィジェラの駆逐艦だ。戦艦では絶対に成し得ない操艦法を繰り出す事が可能である。まあ後は艦長の腕の見せ所となるが・・・。
「ほむ・・・全弾回避すれば事足りそうですけど。」
そして飛び出す問題発言。ヴィジェラが語ったのは、放たれる砲弾を全部回避すれば良いと言うものだった。それに苦笑するしかない感じの総意である。
だが、彼女はデュネセア一族の女王であり、宇宙種族組の中で一番多岐に渡る力量を持つ。最近は現実世界で格闘技にも目覚めているため、もしかしたら本当に全弾回避を成し遂げるかも知れない。
ちなみに、この海王の艦隊はVRMMO作品なのは周知の通り。操者の力量をヘッドセットを介して仮想現実に反映させて動いていく。特にディナリア達が開発した同作は、その性能が極限にまで高められている。
つまり、使い手の力量が高ければ高いほど、その実力はトンでもないレベルに至るだろう。現に先の試合のアセリスがそうだった。遠方の大和の主砲の砲身内に砲弾をぶち込み、見事に破壊させるまでの力量を見せたのだから。凄まじいまでの集中力である。
当然ながら、そんなアセリスよりヴィジェラの方が全てにおいて実力は上である。彼女の発言が妄言ではなくなりそうな感じである・・・。
「そう言えば、特殊スキルってあるのですが、これも使えば良いのでは?」
アセリスから挙がったのは、前回のテスト試合後に発表された艦長スキルのそれだ。情報自体は窺っていたが、それを確認する時間が俺にはなかったのが悔やまれる。
戦術ウインドウ以外に個人ウインドウを開き、その中の個人ステータスに目を通す。前回のテスト試合前に支援艦旅鳥を調整していた時とは異なり、艦長の仕様一覧に新たに項目が追加されていた。それが特殊スキルである。
内容だが、常時効果が発揮されるアクティブスキルと、指定した場面で使用して発揮されるパッシブスキルの2種類となる。かなりの項目があるため、本当に時間がなかったのが実に悔やまれるわ・・・。
「・・・時間がなかったのがな・・・。」
「同じく・・・。ですが、現状で見る限りだと良さそうなのがありますね。」
そう言いつつ、操作を開始するのを念話経由で窺えた。ヴィジェラも生粋のヲタク気質なためか、デュリテやアセリスと同様に即断実行を得意としている。その順応度は羨ましいとしか言い様がない。
ザッと見る限り、今現在で有用なスキルが分かった。RPG絡みの作品であれば、相当な力量を放つだろう。それを艦船に適応するのだから、何ともまあと言うしかない。それでも、その効果は確実に出てくると思われる。
第4話・8へ続く。
スキルの部分は完全に自前のオリジナル要素かと。特にパッシブスキル、戦闘中に使う形で効果を発揮するもの。7エンパを例に挙げれば、団結やら気合いやらの秘計でしょう。一定時間内に効果を発揮してくれるなら、相当な結果をもたらすと思います@@; まあ元ネタのワルシプではその様なスキルはないのですがね・・・(-∞-)
更に今後も色々なスキル群やら追加要素を施していこうかなと。艦船を題材とした流れですが、主軸はVRMMO的な感じなのでアリかも知れませんね><; 上手く扱えれば良いのですが・・・(>∞<)




