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第4話 大規模テスト試合4 非日常が日常の者達(通常版)

「とまあ・・・皆様方の運が凄いと言うしかありません。」

「だな・・・。」


 本家がゲームマスターのテリスが呆れ顔で語る。それに心から同意するしかない。俺達の幸運度の高さは異常極まりないと言い切れた。しかし、それもまた現実ではある。


 まあ俺達の本心は、心からの息抜きを求めて、にある。海王の艦隊を極めようという概念は一切ない。唯でさえ現実世界では悪戦苦闘している身だ。それなのに仮想現実で再度悪戦苦闘するのはご免蒙りたい。


 ともあれ、ここは息抜きに限る。それが偶々こうしたVRMMOであった訳なのだから。ならば、後はそこで大いに羽を伸ばすのが無難だろうな。


「何度か挙げましたが、皆様方の事は母やゲームマスター陣からは一目を置かれています。先の諸々の事変を攻略なされたのもありますが、その探究心と言うか突き進む姿勢には脱帽しているようですよ。」

「普段からこの調子なんだがな・・・烏滸がましい限りだわ。」


 裏方を代表して感嘆の声を挙げるテリス。前も今もこの姿勢は変わっていない。その言葉を聞きつつ、徐に一服をした。そして、烏滸がましい限りだと思うしかない。俺とテリスの会話に聞き耳を立てている面々も同様に頷いている。


 とにもかくにも、俺達は普段からこの姿勢である。今し方この行動をしだしたという訳ではない。当たり前の様にそれらを繰り出しているからか、全く以て不自然さを感じないしな。


 対して、それらを初めて目の当たりにした面々は、テリス達が挙げたように驚愕するのが普通となるのだろう。そう、俺達の普通は言わば普通ではない、そう言い切れた。


 非現実を現実に据え置き続けている職業、警護者。それに浸かり過ぎた俺達は、その全てが非現実だと心から思えてくる。だがそれこそが現実なのである。海王の艦隊は非現実の具現化と言えるため、故に俺達にとっては現実になるのだろうな。


 まあそれらは屁理屈に聞こえなくはないが、実際問題そうなのだから致し方がない。否定をしようものなら、俺達総意を否定する事になってしまうのだから。ならば、素直に受け入れるのが無難な感じだわ。


「常に精進し続ける。これはゲームだろうが現実だろうが変わりませんよ。だからこそ、目の前のその瞬間を爆発的に体験していく。それが最善の策だと思います。」

「そうだな。」


 背中へと抱き付いて来る存在、その声の主がミーシェである事に小さく驚いた。この手の厚意はナセリスことアセリスが独壇場なのだが、何ともまあである。


 しかし、ミーシェが語った内容は、正に俺達の真髄たる概念である。常に精進し続ける、これ程重要なものはない。特に周囲の面々と切磋琢磨していく事こそが最重要でもある。


 皮肉な事だが、これも俺達が普段から行っている何気ない行動の1つ。先の話になるが、それを初めて見る面々は驚愕的に思えるのだろうな。何ともまあと言うしかない。


「まあ何だ、今は主題たるテスト試合を行うとするかね。」

「おういえい♪」

「色々と考える所はありますが、先ずは一歩進む事から始めましょう。」

「了解であります!」


 締めとなる発言をしてくれたナーシュ。こちらも非常に重要だ。一歩ずつ前に進む、それが最善の策なのだから。その彼女の言葉に、俺は敬礼を交えながら返した。すると、周囲の面々がドッと噴き出していく。俺らしくないという感じであろうか。


 本来ならムードメーカーたるミーシェが担うのだろうが、偶にはこうしたのも良いだろう。事実、背後にいる彼女がエラいニヤケ顔で右手親指を立てている。お墨付きを貰った感じだ。


 今その瞬間を体感せよ、か。非現実を現実に置く警護者たる俺達が、こうした娯楽世界に身を投じるのは何とも言い難いものである。だが、何処かしらで息抜きをする必要もある。その切っ掛けを作ってくれたのが、傍らにいるテリスとその母親達だ。感謝に堪えないわ。



 粗方の雑談や準備を終えて、本命の大規模テスト試合に投じる事にした。とは言うものの、別段特別な場所に自らの足で赴くと言う事ではない。ステータス画面から指定のコマンドを入力し、試合会場となる場へと飛ぶだけである。


 これがリアルの流れなら、実際に自前の艦船がある港へと赴き、そこで艦船に乗り込んでから現地に向かう形だ。それが一発操作で現地に飛べるのは、流石は仮想現実と言うべきか。


 ただ、異なる場所への移動に関しては今だに慣れる事がない。例えるなら、エレベーターの降下中の軽い無重力状態が続く感じだ。それが現地に到着するまで続くのだから、慣れない者にとっては苦痛の何ものでもない。


 俺の場合は高所が大変苦手なため、この落下する様な感覚は苦痛極まりない・・・。まあ実際に身体に影響を及ぼす訳ではないのだが、精神的な部分では大いに影響を与えてくれると言うしかない。


 更に言えば、海王の艦隊の試合会場たる場は海上だ。これもまた大水が大変苦手な俺には、とにかく苦痛でしかない・・・。まあそれを補って余りあるのが、戦艦大和や他の面々が持つ各艦船となるのだが。何ともまあと言うしかないわな。


 何にせよ、今は本命たる大規模テスト試合に挑むとしよう。今回は俺達以外に運営側も重視しているため、下手な事はできない。一種のテスターと言えるだろうか。ならば、与えられた使命はしっかりと全うするのが警護者魂である。普段通りの生き様のままでいいのだ。


    第4話・5へ続く。

 400字ほど短い理由ですが、前回の話数を半分にした際、あちら側に結構持っていかれたためです><; すみませんm(_ _)m 次話への流れからして、ここで区切らないとおかしくなってしまいますので@@; 何とも(-∞-)


 非日常を日常とする者達にとっては、VRMMOなどの作品は正に天職なのかも知れませんね。それ自体が非日常の集合体とも言えますので。それでも、彼らは息抜きと題しつつも全力投球をし続けるのでしょう。それが確固たる生き様ですし。何ともまあですわ(=∞=)

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