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第1話 異常枠4 内部へのダイヴ(通常版)

 テイアと過ごした空間から出ると、大きな広場へと舞い降りる。そこには大勢のプレイヤー氏達がいた。何故それが分かるのかは、その見た目である。


 これも流石はゲームか、各キャラクターの頭上に体力ゲージとスキルゲージ、更には先程設定したキャラクターネームが表示されている。同時にノンプレイヤーキャラクターは、住人の職業名が表示されるだけである。


 これが現実であれば、誰が誰だか全く分からない。しかし、5大宇宙種族の各ペンダントの効果で、“それなり”の人物把握はできてくる。顕著なのは念話だろうな。


 ちなみにだが、同ゲーム内に各ペンダントは持ち込めていない。当然であろう。あの効果群があったら、各艦船の性能が超絶的に様変わりしてくる。超チートを行き過ぎた、異常チートと言うしかなくなるだろう。


 ただし、念話に関しては反映ができるようだ。先程デュリシラがそう告げていたのだから。



「・・・終わったようですね。」


 周囲を見渡していると、不意に語り掛けられる。話し掛けられた方を向くと、初めて見る人物がいた。声色からして女性なのは分かる。同時に、それが誰だかも分かった。


「・・・ああ、デュ・・・お前さんか。」


 リアルネームを告げようとして思い留まった。これもマニュアルに記載されていたが、現実の名前を挙げるのはタブーらしい。それに目の前の人物の頭上には、キャラクターネームが表示されていた。


 この名前は何時もは表示されず、相手に意識を向けると名前が表示される仕様との事だ。常時表示されていては邪魔になるため、この様な様相にしていると思われる。流石はゲーム仕様である。


 その名前は、デュリテ。デュリシラの別名であり、具現化された艦長キャラクターである。それに俺と同様に、リアルと同様の容姿に近いキャラクターである。流石に覆面などの装備はないが、リアルでは掛けていない眼鏡と艦長帽を装着している。


「・・・はぁ、鉄仮面ですか・・・。」

「言わんでいい・・・。」


 俺の容姿を見て、深い溜め息を付いてくる。ファンタジー世界観に登場する装備の如く、武骨な鉄仮面を装備しているのだから。まあその中に覆面と仮面も装着しているのだ、非常にむさ苦しいにも程がある。


 まあお遊び程度に覆面や仮面を装着しているプレイヤーはいるにはいる。だが俺の場合はリアルでも装着しているため、最早これはトレードマークそのものだ。切っても切れない一品である。


「とりあえず、桟橋の方に行きましょう。私の艦船をお見せしますよ。」

「了解した。」


 そう言いつつ、俺を引率してくれる彼女。ミリタリーの艦船群はそれなりに把握している。だが本格派のゲーム自体は今回が初めてだ。特にVRMMOとなれば全く勝手が違ってくる。ここは先駆者で生粋のゲーマーでもあるデュリテに全て任せるしかない。



 しかしまあ、艦船ゲームだと伺っていたが、殆どファンタジー作品に近い様相だ。こうしてキャラクターが跋扈する港町みたいな場所に集合しているのだから。この場合は言わば、艦長版の傭兵集団と言うべきか。


 ゲームの流れとしては、漠然と海戦を行うとの事だ。何らかの紛争が発生し、それに介入する事はないらしい。ただし、今の所は、となる。何れ紛争などが再現されるだろうな。


 ただ、先のプレゼント艦船でも痛感したが、これらの巨大な存在を1人で操艦できるのかと不安になってくる。レプリカ大和を見てきた手前、幾らオートメーション化されていても結構な人手が必要だ。本物の大和となれば、数千人規模の人員が必要不可欠である。


 まあそこはゲームなのだろう。周りを窺う限り、艦長以外に該当するキャラクターは、港町に存在するNPCぐらいである。


 たった1人で操艦できてしまうとなると、それはそれで興味が惹かれるのと同時に、広い艦橋でポツンと1人で居るシュールな姿も想像できてしまう。何ともまあな感じだわ・・・。




 舞い降りた広場から移動し、デュリテと共に向かったのは桟橋とされる場所だ。そこを見て心が躍らされる思いになった。何と凄まじい数の艦船が停泊していたのだ。


 自分の浅はかな知識では限界があるが、それでも把握できるものは大体は窺える。それと同ゲームが世界規模でのリリースとあってか、参戦されるプレイヤー氏達は世界中の方々もいるとされる。日本の艦船以外に世界の艦船が存在しているからだ。


 各プレイヤー氏が保持する艦船群を見つつ、デュリテに引率されつつ指定の場所へと到着。そこに停泊されている艦船を見て驚愕した。旧日本海軍の航空戦艦として名高い日向があったのだ。


 徐に彼女の顔を見ると、エラいニヤケ顔になっているのが何とも言えない。それはそうだ、ここまで再現された実物大の艦船を前にすれば、マニアにとっては垂涎極まりないモノだ。実際に本物に近い艦船を所有する事はできないしな。


 ・・・それを考えると、俺達は本当に恵まれていたと言うしかない。レプリカ大和である。レプリカながらも、本物に酷使した戦艦大和を各事変で扱えたのだ。マニアからすれば垂涎を超えた様相になるだろう。


 それ以外にもレプリカ伊400に超シリーズの同艦群。仕舞いには飛行戦艦に宇宙戦艦だ。異常過ぎる様相を、あたかも当たり前にあったかの如く使わせて頂けていた。これがどれだけ有難いかを、まさかVRMMOで痛感させられるとはな・・・。



「フフリ♪ テイア様から頂けた特殊仕様の日向です。」

「・・・ん? 特殊仕様?」

「市販品でも同様の日向があります。」


 そう言うと、ゲームでお馴染みのステータスウインドウを開いてくる。そう言えばこれ、俺も開けるのをド忘れしていた。彼女が開いたウインドウを見させて貰うと、これはまた驚愕する様相を目の当たりにした。


 マニュアルにもあったが、テイアより頂けた自前の艦船以外に、通常の進行で購入が可能な艦船群も多々存在する。彼女が自慢する日向と同型の艦船もあった。これから推測すると、頂けた艦船群は滅多に使う事をしないのかも知れない。


 それが分かるのは、デュリテが他にも複数の艦船を所有していたからだ。プレゼントの日向以外にも、同型の市販品の日向もある。更には良く分からない艦船群が多々あった。流石に俺は生粋のマニアではないため、それが何なのかまでは良く分からないが。


「お気付きだと思いますが、最初は費用が掛からない初期型艦船で稼ぐしかありません。下手をしたら大赤字になり、開始早々詰む事になりますし。」

「確かにな・・・。」

「それに、特殊仕様も通常仕様も、頂ける報酬は変わりありません。変わるのは、特殊仕様の艦船の方が出費が大きい事です。」

「マジか・・・。」


 これはマニュアルに記載されていない内容だった。彼女が挙げたのは、通常仕様の方が行動に支障を来たさないリーズナブルな様相らしい。対して特殊仕様の方は、相当な出費がかさむようである。


 これは言わば、序盤の序盤から特殊仕様の艦船を使い、海上無双をするという事をできなくする暫定処置なのだろうな。それなのにプレゼントとして艦船を頂けたのは、一種のトラップになるのかも知れない。


 もし他のプレイヤー氏が具現化大和を入手したとしたら、それはもう即舞い上がるだろう。そして直ぐに海戦で使おうと思うに違いない。そして、試合後の収支がドエラい事になり、当面は具現化大和を使う事はできなくなる。最悪は借金地獄になり、動けなくなるのだから。


 よって、市販品の通常仕様の艦船群を揃えていくのは定石となる。デュリテが色々な艦船を所有しているのは、試合に応じた戦術を展開するための駒である。


「マスターは何のプレゼントを頂けたのですか?」

「あー・・・見せても良いのか悩む所なんだが・・・。」


 自前の艦船群を披露した所で、今度は俺が頂けたプレゼント艦船に興味を抱いてくる彼女。その様相はヤンチャ坊主そのもので、瞳を輝かせているのが何とも言えない。


 桟橋自体はドエラい規模の様相なので、空きスペースが必ず存在している。何処にでも配置は可能なのだが、俺が頂けたあの艦船は、あまり披露すべきではないかも知れないが・・・。


 それでも、目の前のヤンチャ坊主と化した彼女の気迫に負けてしまう。仕方がないので、桟橋の一番端へと移動する事にした。



 港町から直ぐにある桟橋は、近ければ近いほど利便性が高い。よって、他のプレイヤー氏の方々は、港町から桟橋に近い場所を拠点としている。


 先にも挙げたが、桟橋自体はドエラい規模なので、使えなくなるような事はないようだ。そこはまあゲーム仕様と言うしかない。まあ、遠方の桟橋に赴く移動手段が欲しい所だが。


 俺が頂けたプレゼント艦船は、モノ自体がアレなので遠方の方が良いだろう。それに規模の問題もある。デュリテ自慢の特殊仕様日向よりも更に巨艦だ。


 ちなみに、出現させた自前の艦船群は、他のプレイヤー氏には絶対に扱えないらしい。独自の仕様と言うべきか、高度なロックが掛かっているとの事だ。つまり、誰かの艦船を強奪する事は不可能と言う事である。


 となると、“考えられる未来”はそう難しくはない・・・。


    第1話・5へ続く。

 海王の艦隊内へダイヴ! ファンタジー作品でのVRMMOは沢山ありますが、ワールドシップを元ネタとした作品は今の所知らないのですが(-∞-) 既に出ているのですかね?><; ともあれ、これからデュリテ嬢はとんでもないモノを見せられるという流れです@@;


 しかし、元ネタのワールドシップの中毒性には恐ろしいとしか言い様がありません@@; 前にも挙げた通り、試合自体は数分か数十分で終わるのですが、その漠然とした海戦に非常に魅入られています><; でなければ、海王の艦隊を描く事はまずしなかったと思います。


 ちなみに、ファンタジー世界観をベースとしたVRMMOのオリストもあるにはあります。そこにワールドシップに似た様相を合流させた形になりましたので。もし海王の艦隊がボツになるのなら、再度通常版=ファンタジー作品側に切り替える事にします><; そうならなければ良いのですが・・・。


 ともあれ、拙い作品ですがご拝見下されれば幸いですm(_ _)m

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