第2話 テスト試合3 釣りの一時(キャラ名版)
アセリスへのレクチャーを続ける事、数時間。彼女の吸収力は凄まじく、教える側となるデュリテも触発されて大盛り上がりの勉強会となっている。俺はと言うと、ほぼ蚊帳の外の状態だ。
そこで一度港町へと戻り、釣り道具一式を購入してきた。桟橋から釣りをしながら、2人を待つ事にした。モノホンのヲタクである2人が本気を出せば、ド素人たる俺など介入できる隙は全くない。彼女達が心から満足するか、それか飽きるまで待つしかない。
ちなみに、VRMMOの海王の艦隊の時間の流れは、リアル世界の10倍で進んでいる。現実世界で1分間(60秒)なら、VRMMO世界では10分間(600秒)の進行となる。
10分間なら100分、1時間40分進む事になる感じだ。60分・1時間なら600分、6時間の経過である。1時間で6時間分の行動ができるとは、実に恐れ入る限りだわ・・・。
これに関しては、どう言った形で時間の速度増加が行われているかは不明だ。実に画期的な仕様と言うしかない。そう言えば、異世界惑星での時間の流れも、地球とは異なっていた。
推測の域だが、宇宙空間の時間の流れと言うか、遠い場所ほどそう言った概念が発生するのだろうな。となると・・・異世界惑星は案外、VRMMOの世界と言えるのかも知れない。
釣りをしながら遠方の港町を見つめると、引っ切り無しに艦船の入出が繰り返されている。
ゲームとあれば、その場で即座に消失し、戦場へと飛ぶのが筋なのだろう。しかし、この海王の艦隊はリアリティに富んでいる。実際に艦船を戦場へと移動させる事も含まれている。
桟橋には複数のCOM仕様のタグボートが常に常駐しているが、彼らなくして艦船を簡単に操艦する事は不可能だ。それこそレプリカ大和の様な近代機構を施すしかない。単独で桟橋に寄港ができる荒業を展開できる。
当時の大戦は、こうした艦船特有の概念の元、各海戦を繰り広げていたのだろう。俺も戦後の生まれなため、実際に当時の様相を窺い知る事はできない。
生き証人たるスミエなら、当時の様相をある程度は知っているかも知れない。だが、彼女が過去を語ろうとする事はほぼない。それだけ壮絶な様相であったと思われる。
前にも挙げたが、当時の英霊の方々が戦ってくれたお陰で、俺達は今をこうして生きる事ができている。そこを絶対に忘れてはならない。
その彼らが守ろうとした世界を、今度は俺が警護者として厳守し続ける。海王の艦隊にてその思いに至るとは、本当に不思議な巡り逢わせである。
アセリス「・・・釣れますか?」
不意に背後へと抱き付いて来るアセリス。釣りをしながら物思いに耽って、相当な時間が経過したようである。彼女のこの厚意は恒例的で、リアル世界でも何気なく行ってくれる。
マスターT「んにゃ、全く釣れない。魚類が居るかどうか不明だし。」
デュリテ「なら、運営側に要望を出してみましょうか。」
傍らに座り込み海上を見つめるデュリテ。釣りのために魚類を創生して欲しい、という。はたして、運営陣がその要望に応えてくれるのかどうか不明だが・・・。
そう言えば、同ゲーム内では時間経過と共に明るさの変化も存在している。2人が修行時間を初めたのは昼前だったが、今は夕方に近くなっていた。更には天候の変化も存在する。
港町で過ごしているのなら、これら時間や天候の変化は問題ない。だがそれが海上とあれば話は変わってくる。海戦にどれだけの影響を及ぼすか分からない。突風や大雨などにより、相手を視認するのも困難となり、砲弾の飛距離にも影響が出てくる。
これに関しては、直ぐに傍らのデュリテより仕様が伺えた。俺が思った通り、全ての設定が施されているようだ。全てにおいて念入りな作戦を組まねば、戦いに勝利する事は不可能に近いだろう。
アセリス「ですが、その悪天候などは相手にも効果が発揮されますよね。私達プレイヤーサイドだけ影響を及ぼす訳ではありませんし。」
デュリテ「確かにそうなのですが、COM自体の性能が相殺させているのですよ。」
時間も時間なので釣りを切り上げ、3人して軽車両で港町へと戻る事にした。その間に俺が思った事を討論しだす2人。リアルの様相がダイレクトに反映されるとあってか、念話の効力がより一層発揮されだしていた。そう、発揮されだしているのだ。
これに関しては、今度はアセリスより様相が語られた。過去にデュリテと共に推測したものだったが、夢見心地である点が非常に大きいとの事だ。ほぼ心に壁を作らない夢の中なら、念話の力は最大限発揮されていく。実際にこれは経験済みである。
その状態でVRMMOにダイヴするのだから、内部へと反映されるのは言うまでもない。まあ実際にそう至った事には、デュリテもアセリスも驚愕しているのだが。かく言う俺も同様である。
マスターT「仕舞いには、超能力とかも発揮されそうだな・・・。」
アセリス「あー、ルビナ様の十八番のアレですか・・・。」
デュリテ「もし発揮されるようでしたら、流石にそれは使いたくありませんけど・・・。」
実に本当である。ゲームの世界にまで宇宙種族のテクノロジーを反映させたら、それはもう超チートの域を超えている。超反則技そのものだ。となれば、バリアとシールドの力も発揮されるのは間違いない。
しかしながら、実際に検証実験だけは行った方が良いかも知れない。未知の領域に対しての無知は、己の首を締めかねない恐ろしいものだ。無論、それらを把握しても、実際に使う事はしないと誓いたいものだが。
マスターT「リアリティに富みだすと、全てにおいてリアルになる、か・・・。」
アセリス「念話の応用が反映される時点で、恐らくそうなると思われます。」
デュリテ「開発陣は案外、宇宙種族の出身者かも知れませんね。」
片付けを終えて軽車両に乗る。運転はアセリスが行い、デュリテは助手席に乗った。俺はシートに乗るスペースがないため、荷台の方に乗り込んだ。昭和を彷彿とさせる様相だわ。
そして、今し方挙がった懸念材料が語られる。全てにおいてリアルに反映されるのなら、海王の艦隊を創生した開発陣は宇宙種族の可能性が高い、これである。
身内にも5大宇宙種族の面々がいる。その中で一族を纏める存在も数多い。アセリスことナセリスはガードラント一族の現女王だ。その彼女も懸念しているのだから、信憑性は高いと言えるだろう。
まあ自慢になってしまうが、俺達は感受性が非常に強い。何れその部分も否が応でも巡り逢わせてくるだろう。そうした星の巡り逢わせは、ここ最近かなり多いしな。
何はともあれ、今は港町へと戻るとしよう。まだまだ課題は山積みである。
第2話・4へ続く。
劇中でも挙げてますが、VRMMOで艦長としてダイヴし、各艦船を操艦する作品はありませんよね@@; 元ネタとなっているワールドシップでも、実質的には各艦船に憑依的な感じで乗り移り(爆)、そのまま操艦している感じですので。ともあれ、大艦長の劇中はこの流れが多くなりそうです><;
そもそも、元ネタとは異なる展開にしたいものですし。似てしまうとパクリそのものとなってしまいますので><; ただ、各艦自体には著作権とかはないと思うので、後はどれだけオリジナリティを醸しだせるかが勝負所でしょうね><; まだまだ修行が足りない証拠ですわ(-∞-)




