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第1話 異常枠2 娯楽の勧め(通常版)

「相変わらずのナレーターですねぇ。」


 デュリシラの声で我に返る。VRMMOのマニュアルを熟読している際、独り言の如く今の語りを思っていた。それが今も所持する各ペンダント経由で、彼女に伝わったようである。意思の疎通、念話と言われるものだ。


 これも各事変で大変活躍した業物で、どんなに距離が離れていようがリアルタイムでの対話が可能である。既存の通信機器群は、どれ程優れていようが若干のタイムラグは発生するが、念話に関しては一切発生しない。恐ろしいほどの性能である。


 更にこの念話は傍受が不可能である。既存の通信機器群は、時と場合によっては通信傍受が可能だ。特に凄腕の手に掛かれば、通信内容を読む事は容易である。だが、念話はそれが絶対にできない。


「その念話ですが、この海王の艦隊をプレイしていて痛感させられます。同作は、貴方が挙げた無線傍受による作戦妨害も発生しますし。」


 念話の有用性に関してボヤく俺達。コンピューター関連に博識のデュリシラ故に、念話の底力を痛感させられている。既存の通信機器群では話にならない精密性と隠密性を兼ね備えた通信手段なのだから。


 ただ、ゲームの劇中で通信傍受や妨害を行えるようで、それだけ同作はクオリティの高さが窺えてくる。所詮ゲームだと挙げれば話は早いが、これが警護者界での話となると死活問題に繋がってくるからな。


「粗方マニュアルは読んだが、後は実戦あるのみな感じか。」

「ですねぇ。内部でも外部でも通話は可能ですが、内部は通信傍受の可能性もあるので、大体のプレイヤー様は外部通話を行っていますよ。」


 そう言いつつ、近場にあるヘッドセットを指し示す。これはVRMMOには必須のダイヴを実現させるユニットだ。同装置には通話機能も搭載されているとの事である。


 ヘッドセットだが、バイクなどでも用いるヘルメット式で、サングラスに近いサンバイザー的なものがある。どういった仕様かは不明だが、これでVRMMOにダイヴできるのだから驚きである。


「それに、これがあれば声を出さずに動けますし。」

「流石にVRMMOに念話は・・・使えるのか・・・。」


 続いて、自身の胸を指し示した。俺と同様に複数のペンダントが胸元を飾っている。その中の1つに念話専用のペンダントがある。無意識で念話が行えるとあり、今では俺達の基本対話ツールと化している。


 5大宇宙種族の面々も、同様の各テクノロジーを常用している。と言うか、宇宙空間では何が発生するか分からない。よって、使えるものは徹底的に使うのが彼らのポリシーである。かく言う俺も心から同調ができる。



 熟読していたマニュアルをデュリシラに返却し、彼女の近場に座り込む。すると、近場のダンボール箱から真新しいヘッドセットを取り出した。それを俺へと手渡してくる。


 海王の艦隊をプレイするに当たって、彼女が地腹で購入した新品のヘッドセットだ。流石に受け取れないと資金提供を申し出たが、気にするなと一蹴されてしまう。


 ちなみにこのヘッドセット、何と数十万はする高額な逸品である・・・。


 そもそもVRMMOの力は、この様なヘッドセットの能力に依存する。その性能が高ければ高いほど、劇中の再現度も相当なまでに向上化していく。海王の艦隊を手掛けた開発元は、このヘッドセットの開発も担っていた。


 凄まじいヘッドセットの能力を駆使した海王の艦隊なのだから、そのクオリティの高さは言うまでもないだろう。それ故に、今では絶大な人気を誇るVRMMOの1つとなっている。


「このVRMMOも確かに凄いですが、異世界惑星での戦いを踏まえるとねぇ・・・。」

「あー・・・それは言わない方がいい。」


 ボソッとボヤくデュリシラに、溜め息を付きながら嗜めた。彼女が言う通り、異世界惑星の事変の凄さを前にすれば、どんな凄まじいVRMMOも及ばないのが実状だ。何せ、本当にファンタジー世界観を吟味できるのだから。


 剣などの武器は無論、魔力の概念による魔法の存在。仕舞いには各種魔物の存在もある。多種多様な種族も住んでいるため、生粋のヲタクの方々からすれば垂涎ものと言える。



 皮肉な事に、先の黒いモヤ事変の影響が、異世界惑星の創生に一役買ってしまっている。俺達の各種知識などが、現地の様相を構成してしまったのだ。故に異世界惑星事変は、最後の最後まで付き合わせて頂いた。立派な責任問題である。


 今も俺達と交流があり、更には地球との交流にも発展しているのは、少なからずこの責任の部分があるのも事実。無論、それは俺達が原因ではあるが、異文化コミュニケーションの部分を踏まえると上出来と言える様相でもある。


 ただ、我々が住まわせて頂いている地球は、魔力や魔法の概念などは全くない。対して、異世界惑星の方はその概念がある。そのため暗黙の了解として、両者の技術などは絶対に持ち込まないというルールを立てている。


 要らぬ野心を持つ輩がいれば、お互いの世界に侵略をしかけかねない。それが人間の業病である。それら愚物共を監視するのが、今の俺達警護者サイドである。



「この様な作品は、向こうの方々には斬新的で受け入れ易かったそうですよ。」

「世界の技術体系を一新させる様相だしな。」


 ヘッドセットを装着し、そこから延びるケーブルをコンピューターへと接続する。彼女の方も同様に行動しているが、さながらコンピューターに意識を吸い取られるかの様相である。


 挙がった一件だが、異世界惑星にも地球の技術力がある程度入っていった。特にVRMMOがそれだ。しかし、流石にコンピューターなどの革新的な機器群は導入不可能である。無論、VRMMOなど向こうではプレイのしようがない。


 そもそも、あちらの世界には発電や通信などの機構が一切整っていない。中世ヨーロッパ風の時代背景なため、今の地球クラスの技術体系に至るには数十年か数百年は掛かるだろう。まあ魔力や魔法の概念があるので、今の地球にはない技術体系に進化はしそうではある。


 その挙がった一件で盛り上がった理由は、向こうの方々が地球に到来しているからである。完全移住とはいかないが、画期的な技術力に目を白黒させているのもあるようだ。そんな中、このVRMMOが大ヒットした訳だ。


「異世界惑星の技術体系を、地球レベルにまで昇格するには一体何年掛かるやら。」

「魔力と魔法の概念がありますからね。別の様相に進化すると思いますよ。」

「俺達には理解不能の概念だしな。」


 異世界惑星に関しては、今だに理解不能の部分が多々ある。魔力や魔法の概念、魔物達の存在がそれだ。5大宇宙種族が最大限調査しても、その派生時期などは一切判明していない。あの天下の5大宇宙種族が、である。


 同時に推測ではあるが、そう考えると地球の近代技術力などは根付く事はないと思われる。この技術体系は地球独自のものと言えてくるだろう。向こうに発電所や電力網に通信設備も整えれば、地球に似た環境にする事は可能ではあるが。


 まあでも、それを差し引いても魔力と魔法の概念は逸脱している。念話に近い様相を使えるのもあるため、地球の通信仕様の比ではないレベルである。


「・・・まあ、ナレーターはそのぐらいにして、参りましょうか。」

「あー・・・すまん。最近独り言が多くて参るわ。」


 デュリシラのボヤきで我に返る。彼女の言う通り、最近は周辺にナレーターの如く語る事が多い。念話の応用により、こちらの胸中がダダ洩れなのが最大の理由だ。各ペンダントの効果を最大限使えだしているようである。


 更には最近、実に独り言が多い。何かと独り言を思っては、それに耽ってしまっている。それが個人の胸中内で留まれば独り言なのだが、そこに念話が関わるのだから性質が悪い。こちらが思った事は、ほぼ全て周りへと筒抜け状態なのだから・・・。


    第1話・3へ続く。

 当面は4作品の更新を休止し、覆面の大艦長の方をアップさせて頂きますm(_ _)m 第1話までは週間投稿したい所です><; よろしくお願い致しますm(_ _)m


 しかし、大艦長の元ネタとなる通称ワールドシップですが、本当にヤバいぐらいにドハマりしている次第で@@; 試合自体は数十分程度で終わりますが、そこに言い表せられない力量が働いているとも(=∞=) 今後も続けていきそうな感じです@@;


 あと、最近本当に独り言が多いという@@; 今回の話数の劇中で、ミスターT君がボヤいているような感じです@@; 歳相応のものですかね、何ともまあですわ(>∞<)


 ともあれ、拙い作品ですが、ご拝見下されれば幸いですm(_ _)m

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