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第1話 異常枠8 トリプル大和へ向けて(通常版)

「マスターは対人戦が嫌いですし、実際にプレイヤー様と対峙する事はないと思います。」

「そうだな。それにオプションで対人を拒否する設定にもしてあるしな。」


 ゲームという事なので、仕様として対人戦を嫌うプレイヤー氏に対しての暫定処置が存在している。対人を拒否する設定だ。


 他プレイヤー氏から対人を申し込まれても、この設定がある限り対人戦は絶対に行えない。強制的な仕様でもあり、プレイヤーキラー対策の1つとの事だ。


 当然、対COM試合のゲーム内容はプレイできるが、対人試合のゲーム内容は絶対にプレイする事はできなくなる。俺は対人戦が嫌いなクチなので、この設定をオンにした。


 ただし、フレンド同士ではその限りではないらしい。まあ実際にその仕様があっても、俺はご免蒙る限りである。


「端から見れば憶病者と言われそうですけどね。」

「元から超チキンだしな。何と言われようが構わんよ。」

「アハハッ、そうでしたね。」


 呆れ顔で苦笑するデュリテ。俺が超チキンというのは、過去の各事変でも公言し続けた。それ故に、己を押し殺すための覆面と仮面である。


 超チキンの自分が、警護者の道に進んでいるのは烏滸がましいにも程があるだろう。だが、そう言った人物は俺だけではない。逆に俺の場合は、その枷を持つ事で本来の力を制御する部分もある。


 決定的な要因は不殺の精神、これである。もし自分を超チキンと定めねば、恐らく平気で引き金を引く無法者と化すだろう。つまる所、完全なる殺人者だ。


「俺には変な気質があるからな。それが対人戦で開花したら、多分大変な事になる。」

「でしょうね。私も対人戦は一切行った事がありません。貴方が思うその一念と、全く同様の恐ろしさを抱いていますし。」


 両者同時に溜め息を付く。これは警護者全てに該当するものなのだろう。己を制御する事ができなければ、とてもではないが警護者の生き様を貫く事はできない。


 ここはVRMMOの世界であり、リアルの世界ではない。ゲームの世界なのだが、それだけリアリティに富んでいる。リアルの世界の能力が反映されるとあれば、リアルで逸脱した戦闘能力を持つ警護者が参戦すれば、どうなるのかは火を見るより明らかだ。


 この対人拒否の仕様は、一種の己に対しての楔なのだろうな。そうしなければ、とてもではないがゲーム自体をプレイする事はできない。



「テスト試合で色々と吟味してみましょうか。」

「了解。テストであれば思う存分、この大和を使う事ができるしな。」


 そう言いつつ、目の前に鎮座している具現化大和を見上げる。ゲーム内仕様なため、その様相は完全オリジナルそのものだ。レプリカ大和の比ではない重厚感がそこにはある。


 ちなみにだが、この大和は最終戦仕様の艦体となる。就役当時の副砲が4門あった仕様ではなく、2門減って対空砲を増設した仕様である。史実で沖縄特攻に向かう際のものだ。


 それでも46cm主砲が3門と、現段階のゲーム内艦船からすれば破格の攻撃力を有しているのは間違いない。防御力に関してもテスト試合のそれで実証済みであり、そう簡単に沈む艦船でもない。


 それなりの弱点などが施されていると思われるが、海王の艦隊は史実の艦船をそのまま忠実に再現しているようだ。しかも、当時の日本の資源などがない状態の様相ではなく、完全な技術力がある状態で具現化された正式な仕様だ。


 そんなパーフェクトに仕上がった戦艦大和なのだから、テスト試合で勝てないのも無理はない。恐ろしい事になりそうだわ・・・。


「とりあえず、2対3の艦船試合を。相手は無論・・・。」

「はぁ・・・トリオ大和、だな・・・。」

「フフリ♪」


 この美丈夫は・・・。恐らく今までトライしてきて敗退した事への、一種のリベンジマッチを期待しているのだろう。今までにない瞳の輝きを醸し出している。


 かく言う俺も、トリオ大和がどんな様相かをこの目で見てみたいとは思っている。頂けた具現化大和が何処まで通用するのか。これはある意味で楽しみだ。



 ちなみに、デュリテは頂けた特殊仕様の日向を、実戦では一度も使っていないらしい。専ら使用しているのは、早い段階で獲得した通常仕様の日向との事だ。


 テスト試合では何度も使用しているようだが、相手の動きは実戦のそれとは雲泥の差との事である。それなのに、テスト試合でトリオ大和が倒せないとなると、実戦で登場した場合はまず勝てないと思われる・・・。


 とにかく、頂けた各種の特殊仕様の艦船はベラボウな出費を要求される。そう安々と運用する事は不可能に近いレベルとの事だ。


 特殊仕様の艦船の方が使い易いと言うのは戯事で、通常仕様の艦船の方が使い易い現状。何と言うか、見事なゲーム内仕様である。



 最後に分かった事だが、特殊仕様の日向と通常仕様の日向の差異。何と特殊仕様の方は通常仕様の3倍の性能を誇っているとの事だ。つまり、全ての能力が3倍なのだ。


 実際に彼女が所有する2隻のステータスを見せて貰ったが、全く以て能力値が違っていた。見た目は同じなのに、特殊仕様は通常仕様の3倍の性能である。


 ただし、重火器の威力と艦船の航行速度だけは通常のままである。艦体自体の性能だけ3倍となっていた。重火器や航行速度まで3倍の性能になると、それはもう異常と言うしかなくなってくる。日向の主砲が大和の主砲を上回り、駆逐艦の移動速度を遥かに超える大和などの巨大艦船が現れる事になるのだから。


 これらから推測すれば、ベラボウな出費を要求されるのは実に理に適っている。継戦能力が各段に向上化している証拠であり、単艦でも複数の相手と互角以上の試合が展開できてくる。


 となると・・・俺が頂けた具現化大和は、恐らく特殊仕様の大和だろう。通常仕様の大和の3倍の艦体性能を誇っているのなら、単艦でトリオ大和と互角に渡り合える。下手をしたら圧倒的優勢で勝ち進めるだろうな。



 ともあれ、これらの真の様相は、実際にこの目で確認してみるしかない。デュリテと共に、今だに勝てないとされるトリオ大和を対峙し、打倒してみるとしよう。


 まあ、問題なく振る舞えて、しかも勝てればの話だが・・・。


    第2話へ続く。

 これで大艦長の第1話は終わりです。第2話からは通常の各週での更新となります。よろしくお願い致しますm(_ _)m(来週は風来坊の更新で)


 劇中でも挙がったトリプル大和。元ネタのワールドシップで何度か見掛けましたが、それはもう恐怖の何ものでもありません(>∞<) 46cm主砲弾は掠るだけでも結構なダメージとなり、数発の直撃を受ければ轟沈は言うまでもなく><; それが3隻も出てくるのですから、操艦には細心の注意が必要でしょう@@;


 ただ、もし大艦長の劇中の様に、特殊艦船の防御力が3倍とかだと貫通すら起こらないかも知れませんが@@; 駆逐艦の砲弾が大和の装甲を撃ち抜けないのと同じ感じでしょう。流石にそういった環境下で戦った事はないので何とも言えませんが・・・。


 ともあれ、大艦長側の流れはワールドシップでの、こうあったらいいな~、を具現化させている感じです(-∞-) まあテストバトルでトリプル大和は流石にご免蒙りますが@@; 何ともまあ><;

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